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2006/08/09

ドライミストより打ち水っ娘?!

 7日は営業の日だった。立秋。だが一番、暑い盛りでもある。
 立秋なのに、現実は暑い盛り。こうなったら、立秋ではなく、立腹という二十四節気を立てたくなる。
 と思ったら、今、外はザンザン降りの雨。台風が関東にも近づくかもしれない。

 さて、7日の暑さのせいで、日中はそこそこに忙しかったが、夜半を回ると、人影は見かけるが乗ってくれる方とは出会えない。
 夜中過ぎ、何処かの駅に車をつけて、ぼんやりラジオからの話に聞き入っていたら、「ドライミスト」の話題が小生の耳目を引いた。

「ドライミスト」って何。
 世事に疎い小生、既に世間では常識になっていることでも知らないことは多い。それに身近に尋ねる相手もいない。

 どうやら、愛知万博で広く認知された「涼」のシステムのよう。
能美防災/ドライミスト」がネット検索の上位に登場。
 冒頭に、「「愛知万博(愛・地球博)」では、暑さ対策の一環として導入された技術「ドライミスト」が活躍しています」とある。
 以下、ドライミストの原理と特長が説明されている。
 ラジオでも話があったが、「「ドライミスト」は、微細な水の粒で人工的な霧を発生させて、水が液体から気体に変わる際に周囲から熱を奪う気化熱を利用して周辺の気温を下げるシステムで」、以下の特長があるという:

 ・周辺の気温を2~3度下げることができます。
 ・温度を下げるためのエネルギー消費は、非常に少なく家庭用のエアコンの1/20です。
 ・極めて微細な粒子の水滴は、すぐに蒸発するため、人に触れてもほとんど濡れるという感触がありません。
 ・温度、湿度、風速などの各種センサにより、気象条件に応じて自動運転をしています。

 原理は当該の頁の説明を見て欲しい。

マルチドライミストとは-Mult Dry Mist - 双葉リース マルチドライミスト」なる頁を覗く。
「双葉リースのマルチドライミストシステムでは液体と気体(空気)の2流体同士を衝突させることにより、液体を平均粒径4マイクロメートルという微細な粒子にして噴霧することが出来ます。とても細かいためにノズルから1メートル程度しか離れていない位置で浴びても濡れることがありません。これは液体の粒子がとても細かいためであり、またそのために素早く気化することが出来るからなのです。」という説明を見出すことが出来る。
 ミスト…霧。つまりは、大雑把に言うと噴霧装置なのだろうが、その霧の粒が極めて微細で、噴霧されてもすぐに気化するため、間近で噴霧されて霧を浴びても濡れることがないのだという。
「触れても濡れないのに目には見える、というちょっと不思議な霧なのです」だってさ。

 愛知万博に足を運ばれた方は、あるいはとっくに経験済みなのかな。

asahi.com:ドライミスト「涼」再び 夏向けテスト - マイタウン愛知」という「2006年03月24日」付けの記事によると、「昨年の愛知万博(愛・地球博)で、空中回廊を歩く来場者に涼しさを提供した「ドライミスト」が、豊田市の名鉄豊田市駅周辺の2階通路に設置され、23日、霧を噴き出すテストが行われた。実際に稼働するのは7~9月の27度以上になったときで、歩行者の暑さ対策とヒートアイランドの緩和に再び活躍する。」とある。
 つまり、夏場が到来し、いよいよ「ドライミスト」が試用とはいえ、街中の施設で使われ始めたというわけだ。

livedoor ニュース - 六本木ヒルズを霧で冷やそう」(2006年07月19日18時08分)なる記事だと、冒頭に、「森ビル(本社・東京都港区、森稔社長)は、省エネルギー型の外気冷却システム「ドライミスト」装置を六本木ヒルズの入り口広場「66プラザ」に設置し、19日に報道陣に公開した。同日から運用を開始する予定だったが、あいにくの雨で、公開用の試運転のみを行った」とある。
 愛知のみならず、東京でも運用が開始されているわけだ。

 同頁に拠ると、「同装置は、周囲の気象を観測して反応し、運転を自動制御することで快適な環境を維持することも大きな特長。噴霧開始条件は、気温28℃以上、湿度70%未満、風速3m/秒未満。降雨時や湿度が70%を超えたときなどは、十分な効果が得られないため停止する」という。、
 また、「開発を主導した東京理科大学の辻本誠教授は「粒径は極小であり、水滴をほとんど意識させない。化粧も落ちない」と話した」というから、女性も安心で浴びることができるようだ。

 文中、「開発を主導した東京理科大学の辻本誠教授」とある。せっかくなので、ドライミストとの関連で同氏を紹介する記事を探しておいた:
NIKKEI 愛・地球博 -- 日経 愛・地球博 特集
 題名は、「ここに技あり――東京理科大教授の辻本誠さん
「長く建物の防火対策を研究してきた。ドライミストのアイデアがひらめいたのは、「消火用のミストが火の巻き起こす上昇気流のため、あまり役に立たない」という話を学会で耳にした時。冷房向けに使い、より細かい水滴にすれば夏の気温で簡単に気化して効率的に周囲を冷やすことができると考えた。昨年3月まで在籍した名大の研究者2人と装置をつくり上げた」とあり、防火対策の消火用のミストからヒントを得たというのが興味深い。

 ネットで探したら、もっと新しい関連記事が見つかった。
秋葉原駅前広場でドライミストを散布する「冷んやリフト」が稼動開始! メイドさんら“うち水っ娘”も駆けつける!」(2006年8月1日)なる記事で、冒頭に「JR秋葉原駅前西側交通広場“アキバ・ブリッジ”にて、ドライミスト技術を用いた「冷んやリフト」が稼動を開始した。ドライミスト装置とは人工的に微細な霧を発生させてその気化熱により周辺気温を下げる装置で、東京都がヒートアイランド対策の一環として普及を目指しているものだ。また、千代田区が主催する“打ち水大作戦”が同時に開催され、千代田区の新成人とメイド喫茶のメイドさんら“うち水っ娘”たちが応援に駆けつけ、広場で打ち水を実施した。」とある。
 いいなー。メイド喫茶のメイドさんに打ち水されるんなら、トコトン、濡れたって平気だし、むしろ嬉しいくらいだ。
 この頁に載っている「千代田区の新成人とメイド喫茶のメイドさんら“うち水っ娘”たちが広場で打ち水を実施」とキャプションのある写真がいい。モデルさんたちの恥ずかしげな表情に注目。

 この記事を書いた人は、男心が分かっているようで(あるいは、記事作成者の個人的な趣味に走っているのか)、打ち水するメイドさんたち、浴衣で打ち水する千代田区の新成人(無論? 女性のみ)たちの画像を幾つも載せてくれている。
「JR秋葉原駅前西側交通広場を打ち水するメイドさん。みんな水遊び感覚で楽しそう」とあるけど、ホント、楽しそう。こんな子たちとなら、水遊びだって、火遊びだって大歓迎?!
 その場に立ち会いたかったね。

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コメント

ドライミストは私も初めて知りました。
このようなシステムで温暖化に効果があるとすれば嬉しい限りですね。
多方面に利用できるのでは。
温暖化はひとりひとりの問題でもありますが、その努力も限界もありますからね。
一昨日、エアコンを購入しましたが28度に設定しました。
冬は何度までが我慢できるかな?
などと、今から思案しております。

投稿: 吾亦紅 | 2006/08/09 06:31

ドライミストの導入って、知らないのは小生だけかなと心配していたけど、まだまだこれからなのでしょうか。
街頭で何処かのビルや駅舎や病院や図書館、美術館、学校、その他で広がると結構、いいのかな。
といいつつ、まだ、実体験がない。
ネットの輪の誰かで、経験された方がいないかな。
扇風機やエアコンのお世話になる季節。扇風機より省エネの清涼器具があるならいいですね。

投稿: やいっち | 2006/08/09 09:10

東京新聞に載っていました、「ドライミスト」。
ところで北海道の天然氷を冷房システムの水槽に入れてその冷熱を冷房に利用しているリバーサイド墨田セントラルタワーってご存知ですか。
実は国土交通省が「雪サミット」で夏の消費電力のピーク緩和に北海道の氷を用いるようにしたとかー。
さてさて台風は通過したのかな。

投稿: oki | 2006/08/09 14:04

 私がよく行く公園に、今年からドライミストが設置されておりました。

 いつもカメラを持っているので、遠目に眺めるしかできませんが(笑)。
 それでも十分涼しげです。

 もともとの発祥が愛知万博と言うのは、初めて知りました。
 ・・・・・一応愛知県民なんだけどなぁ。

投稿: RKROOM | 2006/08/09 22:47

リバーサイド墨田セントラルタワーについての話題:
「凍らせた雪でオフィス冷房、実証実験がスタート」
http://ameblo.jp/3684/entry-10014484362.html

理屈は分かるけど、輸送費が相当に掛かるのでは、という疑問がある。
江戸時代にの加賀藩による氷室のことを思い出す:
「氷室開き・氷室の日」
http://www.maruka-ishikawa.co.jp/PROMOTION/icehouse.htm
要は経費が気になるのね。

台風は、関東沖、<だいぶん>先を通り過ぎましたね。

投稿: やいっち | 2006/08/10 07:04

RKROOM さん、化粧も大丈夫だというし、カメラ持参でも大丈夫なのでは。一度、聞いてみて、体験してみて。
でも、見るだけでも涼しげってのはいいね。

ドライミスト、我が邸宅のベランダでできないかなー。

発祥というか、最初に一般に披露されたのが愛知万博。

愛知県民だったのですね。名古屋に一度、泊まったことがある。鈴鹿での8時間耐久レースを観戦するツアーに行った時だった。懐かしいな。暑かったけどね。
それにしても、「愛知」って、凄い名称だ。哲学者のための県みたいだ。

投稿: やいっち | 2006/08/10 07:09

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