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2006/07/20

炭素のこと少々

 高間大介/田近伸和著『進化の「謎」を探れ!  徹底対談「生命40億年史」』 (アスコム)を過日、読了(本書に付いては、拙稿「進化の「謎」を探れ! 徹底対談「生命40億年史」」にて若干のことを書いているが、あるいは蛇足めいたことを後日、書くかもしれない)。
 平行して読んでいるサイモン・シン著の『ビッグバン宇宙論 (上)』『ビッグバン宇宙論 (下)』(青木 薫訳、新潮社)も、今週中には読み終えそう。

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→ 高間大介/田近伸和著『進化の「謎」を探れ! 徹底対談「生命40億年史」

 偶然なのかどうか、高間大介/田近伸和著『進化の「謎」を探れ!  徹底対談「生命40億年史」』 (アスコム)を読んだ余韻も残る昨夜(今朝未明か)、NHKラジオで恐竜の話題を聞けた(これも、後日、改めてメモするかも)。

 偶然と言えば、『進化の「謎」を探れ!  徹底対談「生命40億年史」』 とサイモン・シン著の『ビッグバン宇宙論 (上)』『ビッグバン宇宙論 (下)』との両方に共通して扱われていた(触れられていた)話題があった。

 それはビッグバン宇宙論における炭素の生成の困難さ、という話。ビッグバン宇宙論が創られた当初は、宇宙における物質に占める水素とヘリウムの割合などが上手く説明され、画期的だったが、炭素の生成がなかなか説明が付かず、それがビッグバン宇宙論の難点の一つだった。

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← サイモン・シン著『ビッグバン宇宙論 (下)

 炭素の生成がならなければ、それから先の原子の生成もならない。
炭素 - Wikipedia」の説明を借りると、「炭素原子の生成にはヘリウムの原子核であるアルファ粒子の3重衝突が必要となる。これには約1億度の熱が必要となるが、ビッグバンでは宇宙がはじめに大きく膨張してすぐに急速に冷え、炭素は生成されな」いのである。

 のちに、心ならずもビッグバンという名称の名付け親となったフレッド・ホイルが「恒星内部での元素合成の主要な概念」を考え出したのである(「フレッド・ホイル - Wikipedia」参照)。
 つまり、「ホイルの初期の論文では人間原理が面白い使われ方をしている。恒星内部での元素合成の経路を明らかにする過程で彼は、ヘリウム原子核3個から炭素を生成するトリプルアルファ反応と呼ばれる核反応に注目した。この反応が働くためには炭素原子核がある特定の値のエネルギー準位を持っている必要がある。宇宙には多量の炭素が存在しており、この炭素を材料として地球上の生命は存在しているが、このことはトリプルアルファ反応が実際にうまく働いたはずであることを示している。この考えに基づいて、彼は炭素原子核があるエネルギー準位を持つと予言した。これは後に実験によって裏付けられた。」
 炭素(以下の多くの原子)は、ビッグバンで生成されたのではなく、水素とヘリウムだけで重力により凝集した恒星の内部で生成されたり、あるいは超新星の爆発の際に生成されたわけである。
「初期の宇宙に存在した元素は水素とヘリウムのみだった。より重い鉄や珪素、我々の体を構成する炭素や窒素などの元素は恒星内部での核融合反応で生成し、超新星爆発により恒星間空間にばらまかれた。また、鉄より重い元素は超新星爆発時に生成したと考えられる。また、超新星爆発による衝撃波は星間物質の密度にばらつきを生み出し、新たな星の誕生をうながしている」のだ(「超新星 - Wikipedia」参照)。

 炭素は、「有機物として全ての生物の構成材料となり、光合成や呼吸など生命活動全般で重要な役割を担う。また、石油・石炭・天然ガスなどのエネルギー・物質源として、あるいは二酸化炭素やメタンによる地球温暖化問題など、人間の活動と密接に関わる元素である。」(「炭素 - Wikipedia」参照)。
 今日はこの話題は扱わないが、放射性炭素年代測定にも使われることは知られている。

炭素 - Wikipedia」に見られるように、炭素は単体でも化合物の形でもさまざまに使われている。
「有機物として全ての生物の構成材料となり、光合成や呼吸など生命活動全般で重要な役割を担う。また、石油・石炭・天然ガスなどのエネルギー・物質源として、あるいは二酸化炭素やメタンによる地球温暖化問題など、人間の活動と密接に関わる元素である」と、極めて重要な役割を果たしている元素でもある。

「大気中の二酸化炭素は炭素固定のプロセスによって各種有機物として固定されるが、呼吸や微生物による分解などの生命活動、あるいは火山活動などによって大気中へ放出される。このような炭素循環は地球の環境を考える上で重要であり、特に地球温暖化への対策として観測・研究が行われている」と、炭素は(二酸化炭素といった化合物の形などで)環境面との関わりでも果たす役割は大きい。

 これも、偶然なのか、それともそういった話題に耳をつい傾けてしまうからなのか、昨日の営業中、NHKラジオを聴いていたら、「東京電力は6日、石炭灰を有効活用した「ヒートアイランド抑制舗装」の実証実験を横浜市の市道を使って開始すると発表した」という話題をゲット。

 小生の覚束ない記憶で説明するのは辛いと思っていたら、格好のブログサイト(記事)がネット検索の挙句、見つかった。
リサイクルニュース」なるブログサイトの、「リサイクルニュース 石炭灰利用し「ヒートアイランド抑制舗装」(東京電力)」という記事である。
「東電は昨年10月、石炭灰をリサイクルして保水性を高めた「ヒートアイランド抑制舗装」を国内で初めて開発した。
石炭灰に石膏などを混ぜると微細なすき間ができるため、舗装部分に使えば雨水や地中の水分を多く吸収・保水できる。」という。
「一般的な舗装は地表がアスファルトで完全に覆われて水分が浸透せず、ヒートアイランド現象の要因の一つとされている」のだ。夏場など、アスファルト面は60度ほどにもなる。この対策を施すことで、10度ほど下げる効果が期待されているとか。
 詳しくは紹介した記事を読んで欲しい。こんな話題も採り上げるのは、さすがNHKだ(あ? 石炭というくらいだから、炭素の話題なんだよ!)。

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← リチャード・フォーティ著『生命40億年全史

 炭素というのは、上記したように、生命体にとって不可欠の、根幹を為す物質である。
 拙稿「進化の「謎」を探れ! 徹底対談「生命40億年史」」の中で、リチャード・フォーティ著の『生命40億年全史』(渡辺政隆訳、草思社)を紹介している。
 本書に焦点を合わせた拙稿が「フォーティ『生命40億年全史』(1)」以下の連続する記事群である。
 その中でも、「本書でも語られているが、そもそも生命がどのようにして、また、何処で生まれたのかは、依然として謎のようだ。但し、決定的な要素として、太陽系に、そして地球に炭素が豊富に存在したことが大きいことは、忘れてはならない。炭素は、生命の素材である。炭素原子は、他の原子と容易に結びつき、複雑な有機化合物を作りやすいのである」と書いている。
(「sabbs.net - Dean's Message 2004年4月」なる頁を覗くと(このサイトは、残念ながら18年3月に閉鎖されている)、「2004年4月学部長メッセージ」を読める。本書『生命40億年全史』の内容をさすがと思わせる仕方で紹介してくれている。)

 炭素に関係する話題は溢れるほどあって、かいつまんで紹介するのも難しい:
~News Collector~検索結果 「炭素」

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