心はカネでは…ワーキングプア
「花小金井パレードへ(1) 」から「花小金井パレードへ(4)」までを画像(の選定や画素数の縮小、写っている一般の方を極力、減らす)の準備作業と、画像に脚光を浴びさせるための雑文を書き上げ、最終的にアップが一応、完了するまで、都合、10時間余りを費やした。
パレードのレポート書きにこれだけ精力を傾注する奴など、世の中にそうはいないのではなかろうか。
いただけるコメントは、いつもどおり少ないが、「花小金井パレードへ」(全4回)へのアクセス回数は昨日までで800回を越えているものと推定される。
24日の月曜日のアクセス回数は千回を超えた。通常、一日の平均アクセス回数は450回から550回だから、月曜日だけで500回はパレード画像を覗きに来てくれたものと推定していいはずだ。
少なくとも、画像は一定程度は見てもらえたものと思っている。
ところで、「花小金井パレード」が始まったのは23日の日曜日の17:10からで(前半)、後半が終わったのは19:20頃。小生は、終わってからも体が動かず、しばらくボンヤリしていたが、それでもパレードコースが駅の目の前にある地の利に助けられ、改札へ向い、帰宅したのは9時過ぎだったろうか。
汗びっしょり。どうせシャワーを浴びるのだしと、土曜日に引き続き、部屋の中のダンボール類の片付けなどをして、埃をたっぷり被ったところで、シャワーを浴びる。
湯上り(シャワーだけでも湯上りと称していいのかどうか)、テレビをオンしたら、NHKスペシャル「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」という番組だった。
疲れ切っている。あまり考えさせるような番組を見る気力などない。
まして、ロッキングチェアーに腰を沈め、体と頭にエネルギーを蓄えておかないと、徹夜は必定のレポート作成作業には到底、取り掛かれないし、最後までやりきることはできない。
実際、夜半前から作成を開始して、レポートの(3)を書き上げ、アップできた頃には朝の7時を回っていた。
その後も、一端、仮眠を取ったのだが、ふと、間違い(勘違い)に気づき(寝ている間に、何か閃いたようだ)、昼前に訂正作業。
月曜日の夜中にも、2時間ほどかけてレポートの(4)を作成。
というわけで、全体で修正作業時間も含めると10時間以上となる計算なのだ。
疲労困憊していて、チャンネルを切り替える余力もなく、何気なく、でも、何処となく我が身の明日(明日と言っても、ほとんど片足を突っ込んでいるから、今日の夜半過ぎという感じか)を思わせるような番組の題名で、しかも、題名以上の内容で、お前、パレードに現を抜かしている場合じゃないよと、痛棒が加えられているようでもあって、つい、見入ってしまった。
見るつもりじゃなかったのに、途中でチャンネルを変えるか、テレビをプッツンするつもりだったのに、感情移入するような態勢に入ってしまっていたのだ。
とにかく、身につまされる思いで見ていたのだった。
話題にするばかりで、内容に触れておかないといけない。
が、この番組の内容に付いて、纏める能も、準備もない。
この番組に付いては、小生のネットの輪の中でも、方々で話題になっている:
例えば、「天にいたる波も一滴の露より成れリ:NHK ワーキングプア報道」
あるいは、「ブロードキャスト:ワーキングプアとは=荻野祥三-テレビ:MSN毎日インタラクティブ」などを覗いていただくと、番組内容の一端が分かるかもしれない。
「毎日新聞 2006年7月22日 東京夕刊」からの、「ワーキングプアとは」と題された、荻野祥三氏の手になる記事のようである。
転記するのは拙いのだろうが、25日の24時からNHK総合で「ワーキングプア」の再放送の予定があったらしいので、評判を聞いて、御覧になった方も多いのでは:
鈴木勇治さんは、秋田県仙北市角館町の仕立屋さん。武家屋敷で知られる町で、鈴木さんは昭和が終わるころには年間100着以上のスーツを仕立てた。その後、秋田県の経済は冷え切り、昨年のスーツ注文は2着だけ。今はサイズ直しやすそ上げの仕事しかない。奥さんはアルツハイマー病で入院中。介護保険料の値上げがあり、生活はギリギリである。生活保護を受けると、妻の葬式に備えて残して置いたなけなしの100万円を取り崩さなければならないのが、鈴木さんの悩み。「早く見切りをつけて転業すべきだった」と言うのは簡単だが。
他にも、職を探し続ける34歳の東京のホームレスや、米作りをしてもほとんど収入がない農家。妻を亡くし会社をリストラされ、深夜職場でのアルバイトを続ける父親など。「夢を追って現実を見ない」と批判されるフリーターの若者像とは違うタイプの低所得層が紹介される。皆が、「事実をみてほしい」とモザイクをかけない素顔で取材に応じている。
日本の全世帯の約1割が、こうした生活保護受給水準以下の収入しか得られていないというが、その実態ははっきりしない。貧困が次の世代に引き継がれて、やがて日本が、「格差社会」から「階級社会」になるかもしれない。食べられなくて農業を放棄する場合は、食料自給率のさらなる低下にもつながる。センチメンタルに論じても仕方ないが、現実を直視する時だ。
人の心はカネでは買えないという垂訓がある。そうだと思う。
そうはいっても、カネになびく心があるじゃないかとも思う。
でも、人の心はカネでは買えないと思いたい。願いたいというべきか。
でも、仕事がなくて稼ぎが悪かったら、家族を養えない。時には家族はバラバラになってしまう。子供は実入りの良さそうな都会へ。かあちゃんは、パートへ。とうちゃんは、あるかないかの仕事、あっても、カネにはなりづらい仕事をせっせと。
心は買えないし、変わらないはずだろうけど、でも、生活の根底が崩壊してしまう。
おカネがなかったら、病院へも行けない。行くのは、倒れてしまった時、もう、ギリギリまで我慢して、倒れて、運よく周囲に誰かが居たなら、救急車など呼んでもらって、病院へ担ぎ込まれる。
でも、病院のベッドで目覚めて、最初に考えるのは家族や友達や恋人や、ではなく、請求書のこと。
どうやって払ったらいいものやら。
心は買えない。でも、体が崩壊したら、心の在り処がなくなってしまう。
友達に食事や映画や旅に誘われて、あー、行きたいと心では思うが、夢のまた夢と諦め、今日は都合がつかないからと断ったりして。
心は漫(そぞ)ろに動くけれど、動くわけにはいかない。バス代をどうする。酒だって飲み交わすだろう。酒代は割り勘? それとも、この前は奢ってもらったから、今日はこっちが奢る番…。
無理だよね。これ以上、借金を重ねるわけにいかないし。
心は買えない。でも、心が空洞化していく。
空っぽになってしまいそう。
動くとは、人間にとってはエネルギーを費やすこと。息をすることだけでも、エネルギーを消費する。下手な考えでさえも、不毛な堂々巡りになって、余計に熱を帯びてしまって、エネルギーを浪費してしまう。
成果も実りも契りも絆も解け解(ほど)け溶け去っていくばかり。
世の中、実力主義で能力が大事で、夢もあったほうがいいし、役所も誰も頼りにならない。自己責任が全て。
真面目にコツコツ働くしか能のない人間は社会の片隅へ追いやられていく。情報を生かし、機会を生かし、機敏に動く人が出世するし勝ち上がっていく。
誰も見ていないところで、ゴミ箱から溢れるゴミを拾っても、自己責任。本人が勝手にやったこと。忙しい人は、そんな余計なことは他人にさせる。家の家事だっておカネがあれば、専門の人にさせることができる。その分、仕事するか遊ぶことが出来る。夢のようだ。
グローバリゼーションで世界が流動化しているはずなのに、何故か日本の社会は塾も学校も会社も何もかもが、ルートや色分けがガッチリ出来上がってしまっていて、そのエスカレーターから一旦、食み出たら、再起など論外となってしまう。
機会の不平等、格差社会、格差も経済的な側面だけに留まらず、健康面をも含めての格差社会、先行きの見通しのなさが生む暗澹たる世相。
膨大な数の人の力や心や意欲が全く、生かされていない。
勿体無いという言葉が昨今、流行っているらしいけれど、改革の結果、一体、どれほどの数のマンパワーやハートが崩壊の憂き目に追いやられていることか。
人材が生かされていないって、人口の純減が言われている日本において、これこそ、勿体無いの一言なのではないか。
借りてきた本を読み、徒然なるよくないことを書き、あとはロッキングチェアーで転寝(うたたね)。電話は、あくまで受話器。新聞記事はコンビニか駅売りのタイトルを見て内容を想像すれば想像力の訓練になる。独り身だから、靴下に穴が開いていたって、ズボンに解(ほつ)れがあったって、靴が十年も掃き続けた年季モノでも、どうってことはないのだし。髪はハサミで切れば十分だし。何も問題はない。
ある意味、理想的な生活を送っている!
ああ、たまにはお気に入りのラーメン屋さんのラーメン、食べたいな。たまには本の一冊も買って読みたい。たまには旅にぶらりと…。トイレの換気扇を直したいな。流し台のヒーターを直さないとラーメンを作れない。
カネの切れ目が縁の切れ目というけれど、カネが切れたら、この世との縁が切れてしまうって、あんまりじゃないの?!
なんて、そんなこと、人間の心の問題に比べたら、小さい、小さい…ってか。
そう、とにかく、人の心はカネでは買えないのです。
それは分かっているのです。
が、ついね、たまには愚痴も言ってみたくなるわけですよ。
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コメント
やいっちゃん、我が家はダイコン一本で宴会のできる家だから、大丈夫だよ!
ジャガイモとナスがあれば、大ごちそうさ!
美味しいダイコンの煮つけを、食わせてくれよう!
投稿: 志治美世子 | 2006/07/27 00:34
食いたい!
代わりに指をくわえてます!
投稿: やいっち | 2006/07/27 02:46