今日は何の日…乱歩やゴッホや
「今日は何の日」というサイトを覗いてみたら、既に昨日となるが、「7月28日」は、案の定、語呂(ゴロ)からして予想されることだが、「菜っ葉の日」だった。「「な(7)っ(2)ぱ(8)」の語呂合せ」である。
あるいは、これも語呂から予想されるのだが、「なにわの日」である。言うまでもないだろうが、「「な(7)に(2)わ(8)」(難波・浪速)の語呂合せ」である。
だったら、「夏場の日」もありかなと思ったが、ない。ま、「夏場」という言葉に意味を篭めようがないということか。
さらに見ていくと、7月28日は、「乱歩の日」だとか。「1965(昭和40)年、日本の推理小説の生みの親、江戸川乱歩が亡くなった」というのだ。
→ この顔が懐かしいと思った貴方。同輩ですな。
久しく読んでいないが、学生時代には好んで読んだ。なにかおどろおどろしい雰囲気が大好きなのだ。
「7月28日」を無理に読んで「ナンパの日」ってのも、あるのかないのか(公式にはないだろうが)。
この日に亡くなっている、あるいは生まれている方は多い。自分の関心で挙げてみると、「7月28日」が誕生日の方は、フォイエルバッハ (独:哲学者『キリスト教の本質』) 、マルセル・デュシャン (仏:画家,彫刻家)、カール・ポパー (英:哲学者『科学的探求の論理』) 、渡辺美智雄 (衆議院議員(自民党),蔵相[元]) 、マッド・アマノ (写真家) 、渡瀬恒彦 (俳優)、永島瑛子 (俳優) 、桂銀淑(ケイ・ウンスク) (韓国:歌手)、矢井田瞳 (シンガーソングライター)、神園さやか (歌手) というところか。
逆に、「7月28日」に亡くなられた方(今日が忌日だという方)というと、先に挙げた江戸川乱歩 (推理小説家『黒蜥蜴』『怪人二十面相』) のほか、蘇軾 (北宋の文学者,書家,政治家『赤壁賦』) 、シラノ・ド・ベルジュラック (仏:詩人,劇作家,小説家) 、ヨハン・セバスティアン・バッハ(大バッハ) 、マクシミリアン・ロベスピエール (仏:フランス革命指導者,恐怖政治の中心人物) 、宮武外骨 (江戸明治文化研究家『奇態流行史』) 、O.ハーン (独:物理化学者,核分裂を発見)、山田風太郎 (小説家『甲賀忍法帖』) といったところ。
「山田風太郎氏というと、自由奔放な想像力を駆使して、時代を自由に飛び、フリークス的存在が闊歩し、暴力などは当たり前(なんてたって、多くは時代活劇として殺し合いをするんだから)、抱腹絶倒(?)の忍術やセックスがふんだんに盛り込まれた、そんな時代活劇作家として知られている。
とは言いながら、小生が山田風太郎氏の本を初めて読んだのは、一昨年の秋で、『風来忍法帖』(講談社文庫刊)だった。その年の夏、氏は、肺炎のため東京都多摩市の病院で死去された。79歳だった。」
他に、『戦中派不戦日記』(講談社文庫)も数年前、終戦の日に事寄せて読んでいる。
さて、今日「7月29日」というと、なかなか語呂合わせめいた記念日には仕立てにくいようである。小生も、ちょっと語呂合わせのアイデアが浮ばない。
(昨夜、菜っ葉とは言い難いが野菜としゃぶしゃぶ風の肉を食った。家庭で調理した肉を食べたのは久しぶりだ!)
今日「7月29日」にちなむ歴史も興味深い項目が並んでいる。冒頭の、「1186年 源義經の愛妾・静御前が安達新三郎の家で男子を出産するが、頼朝の命により溺殺される」というのが、哀れ極まりない。
今日「7月29日」が誕生日の人を一部、小生の関心に絡めて挙げておくと、ラスプーチン (露:修道僧「怪僧」) 、重光葵 (外相,第二次大戦の降伏文書に調印) 、秋吉久美子 (俳優)、高木美保 (俳優)、小野リサ (歌手) など。
一方、今日が忌日の方は、シューマン (独:作曲家) 、フィンセント・ファン・ゴッホ (蘭:画家『ひまわり』) 、エーリッヒ・ケストナー (独:小説家)、マルクーゼ (米:哲学者『理性と革命』) 、ルイス・ブニュエル (スペイン:映画監督『アンダルシアの犬』) 、森敦 (小説家『月山』) 、辻邦生 (小説家『安土往還記』) などである。
ここに名の挙がった誰を採り上げても、記事が一つ、書けてしまう。
辻邦生氏については、「読書拾遺(辻邦生と丸山健二の体つながり)」で話題にしている。
勝手な思い入れに過ぎないのだが、特にエッセイを中心に、結構、読んできた作家の一人なのである。
フィンセント・ファン・ゴッホの絵は小生も好んで(…というべきか、強烈な引力で引き寄せられるようにして)折に触れ見てきたが、話題に採り上げることはあまりない。
(『ファン・ゴッホ善簡 全集』(共訳,みすず書房)や「ゴッホの手紙」を読み浸った一人でもあるが、今日は話題にしない。ちなみに、『ファン・ゴッホの手紙』(二見 史郎/圀府寺 司訳、みすず書房)は、「ゴッホの手紙ほど永遠に読者を魅きつける文章は存在しないだろう。生きる意味と絵画への専心。これまでの削除・省略・伏せ字を開示し、画家の全貌を示すべく新たに編集された新訳・決定版」というもの。『ゴッホの手紙(ベルナール宛)』(エミル・ベルナール編、硲伊之助(はざまいのすけ)訳 岩波文庫)などで親しんできた小生だが、機会を設け、改めて読んでみたくなった。)
というのも、ゴッホというと、「後期印象派を代表するオランダ人画家」ということになっているが、特に日本における印象派への(やや偏重気味という意味で)過度の思い入れに辟易するものがあるし、そもそも、ゴッホを後期だろうが印象派に入れること自体に違和感を持っている。
かといって、ゴッホの世界に真正面から向き合う気力も能も持ち合わせていない。
実際、たとえば、「ゴッホ生誕150周年」という小文、「前田夕暮のこと」と題した記事の中でゴッホを扱ったことがあるだけである。
「前田夕暮のこと」の中で、小生の好きな歌人・前田夕暮との絡みで、何故、ゴッホが登場するかというと、歌人の彼は、「ゴーギャン・ゴッホなど印象派からの強烈な刺激をうけ、外光や色彩に多くの影響がみうけられる彼の歌は、数回に及ぶ作風転換にもかかわらず一貫してみずみずしく清新なものであった」といった理由があるのだ。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 植物は〈知性〉をもっている…生物観の変貌(2019.01.21)
- イザベラ・バードからゴーゴリへ(2018.09.18)
- お前らの墓につばを吐いてやる(2018.07.06)
- 庭仕事しつつ『平家物語』の世界に浸ってきた(2018.06.22)
- 不染鉄の存在を今になって知る(2018.05.30)
「書評エッセイ」カテゴリの記事
- 新聞の書評頁から(2019.02.09)
- 「唐詩選(上)」読了(2019.02.07)
- 『タタール人の砂漠』から『死者の奢り・飼育』へ(2019.02.02)
- サファイアからイサベル・アジェンデへ(2019.01.30)
- 「懐風藻」から「唐詩選」へ(2019.01.23)
「美術エッセイ」カテゴリの記事
- 「富山ガラス大賞展2018」へ(2018.10.05)
- 赤いシーラカンス(2018.08.30)
- タイルの目地には泡スプレーがいい(2018.06.14)
- デューラー たぐいまれなる素描力(2018.06.09)
- 赤裸の心で(2018.05.25)
コメント
こんにちは!
コメントをいただきありがとうございました。
今日は「何の日」のナンパの日には、参りました。(笑)
永島瑛子、矢井田瞳、神園さやか、宮武外骨 (江戸明治文化研究家『奇態流行史』) 、O.ハーン (独:物理化学者,核分裂を発見)、山田風太郎 (小説家『甲賀忍法帖』) など、わからない人ばかり。他は、何も知識ないけれど、聞いたことがあるような・・・
やいっちさんを見習わなければ・・・
投稿: elma | 2006/07/29 12:52
elma さん、あれこれ少しは知っているのは、年の功なのかも。
知っているだけじゃ、つまらないから、こうしてブログを綴りつつ楽しみながら勉強しています。
永島瑛子さんは、一頃、ドラマや映画に登場していた女優さん。最近も奥田瑛二監督の映画に出ていたような。
天知茂なんて、もう、忘れられた俳優なのだろうか。乱歩というと天知茂だったけど。
矢井田瞳、神園さやかは、若い人のほうが詳しいかも。
投稿: やいっち | 2006/07/29 17:13