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2006/07/10

「タクシー事情」あれこれ

 過日、「タクシー運転手の条件厳しく」という記事が新聞紙上に載っていた。
 ネット検索してみると、「タクシー運転手の条件厳しく…国交省が検討へ」という記事が未だ削除されないで残っていた。

 遅かれ早かれ削除されるのだろうから、個人的な関心事でもあるし、ここに転記しておく:

 タクシーによる交通事故が過去最悪の水準で推移していることを受け、交通政策審議会(国土交通相の諮問機関)の小委員会は20日、運転手になれる条件の厳格化などを提言する報告書をまとめた。現在は、第2種運転免許を持っていればタクシーの運転手になれるが、過去の交通事故歴などを要件に加え、問題のある運転手や事業者を排除するのが狙いで、国交省は来年度中の実施に向け、本格的な検討を始める。

 タクシー市場は、2002年、国による数量規制が撤廃、01年度に約20万8000台だったタクシー台数(個人タクシーを除く)は04年度には約21万9000台に増加。実際にはタクシー客は減っていることから「供給過剰」に陥り、この間、走行距離の総計は約0・3%増にとどまっている。にもかかわらず、タクシーが起こした人身事故は01年の約2万6000件から、03年には5%増の約2万7300件を記録、翌04年も同水準だった。

Ranking1

 同省では、この背景にはタクシー運転手の“質低下”もあるとみて、過去の一定期間内に重大事故を起こした人を運転手として雇用できなくすることなどを検討。違反した事業者も行政処分の対象とする。また雇用後に重大事故を起こした運転手の許可を取り消したり、一定期間乗務を禁止したりする考えだ。
          (2006年6月21日 読売新聞)


 タクシーによる交通事故が過去最悪の水準で推移しているのは、小生自身、ひしひしと感じるところである。
 ただ、「同省では、この背景にはタクシー運転手の“質低下”もあるとみて」というのは、素直には頷けない。当局は、もっと率直に規制緩和という名の、タクシー(バスも含めて)の台数の野放し的増加の結果だと認めるべきだろう。

 何故なら、タクシー運転手の質低下は分からないが、営業所としては、タクシー会社の評価制度(ランク制度)との兼ね合いもあって、事故や違反などの多い運転手は敬遠する傾向にあるのだ(事故・違反は、運転手当人だけでなく、営業所の評価に直結するのがランク制度)。
 とりあえず、規制だけ片っ端から緩和しておいて、その弊害が出てきたら、それは運転手らの質が悪いからだって。そうじゃなく、緩和するなら同時にセーフティネットを措置しておくべきを怠った当局の怠慢の結果なんじゃないのかい。

 一方、ドライブレコーダー(ウイットネス装置)の使用による効果も、統計的なデータがまとまり始めてきたようだ。

 過日、新聞にも載っていたが、ネットでも関連の記事を見出すことが出来る:
ドライブレコーダーの調査結果を取りまとめ…国交省 | Response.」なるサイトの記事を覗かせてもらう。
 日付も「2006年6月30日」と申し分ない。

 国土交通省は、05年度に実施した映像記録型ドライブレコーダーの搭載効果に関する調査結果をまとめた。

 タクシー事業者については、導入事業者のほとんどで事故抑止効果があった。また、トラック、バスでは安定して装置が作動するための設定条件などを得られたとしている。

 05年度では、タクシー事業者で1820台、トラック事業者で78台、路線バス事業者で40台に搭載したドライブレコーダーなどのデータを解析した。

 タクシーではドライブレコーダー搭載前後の比較が可能な24社のデータ分析で、タクシーが第一当事者となる人身事故の事故率(その事業者のタクシー1台が1日に起こす事故件数)が20社で減少していた。このうち8社では50%以上の低減効果を実現した。

 トラックやバスについては、事故データを適切に記録する条件設定などを検討した。
                         《編集部》


 先に進む前に、小生は今日知ったのだが、「小林ゆきBIKE.blog[バイク ブログ] 気になる記事から~ドライブレコーダー」によると、飛行機で言えばフライトレコーダーに相当するドライブレコーダー(ウイットネス装置)の開発は、練馬タクシーと日本交通事故鑑識研究所とによるものだとか。

 念のためにドライブレコーダー(ウイットネス装置)とは如何なるものか、説明を上掲のサイトから借用する形で加えておくと、「車載カメラは「Witness」(目撃者)と命名された。95度の特別な広角レンズを用い、縦5センチ、横15センチ、重さ120グラムで、フロントグラスの内側に装着する。 加速度センサーが内蔵されており、事故に至らなくても、約0.4G(1Gは地球の重力加速度)以上の衝撃や急ブレーキ、急ハンドル時などに警告音が鳴るほか、その発生前12秒間と発生後6秒間にわたって前方のカラー画像をはじめ、速度や衝撃の大きさが自動的に記録される仕組み。画像などは、市販の64MBのメモリーカードで最新10回の衝撃が記録され、パソコンで再生できる。」ものであり、且つ、「カメラは夜間や逆光時でも鮮明に記録できる」もの。
(「ウイットネスの効用1」「ウィットネスの効用2」といった、練馬タクシー代表取締役の桜井 武司氏の話が興味深い。)

 老婆心ながら付記しておくと、この装置は、何もバスやタクシーなどの専用のものではなく、市販されているので、一般ドライバーも着用し、万が一に備えることができる。結構、安心かも(少なくとも、自分はちゃんとした運転をしているという人は装着したほうがいいのでは)。
→ この絵を見てね! 車載用ドライブレコーダー「どら猫2」
 あるいは、「ドライブレコーダーどら猫2で交通事故発生状況を録画 どら猫2 株式会社ホリバアイテック」を覗いてみる?

 さて、上掲の「タクシー運転手の条件厳しく…国交省が検討へ」という記事に反するようだが、実際、ドライブレコーダー(ウイットネス装置)の効果は覿面のようで、この装置の導入後、歴然と事故の件数が減っているとか。
 そう、当局の無謀な規制緩和の結果、相当程度に事故が増えた一方、こうしてハイテク装置のお蔭で事故が減っている側面もある。この装置(と、無論、バス・タクシー・トラックなどの事業会社関係者やドライバーらの努力もある!)の導入がなかったなら、もっと悲惨なほどに規制緩和のマイナス面が現れていたはずなのだ。
 助かったね、当局さん!

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 さて、「駐車違反民間委託で環7ラーメン店客激減」なんて話題もあったりする駐車違反民間委託制度が始まって一ヶ月余り。その余波は想像以上のものがあるみたい。

 実際、小生など、車を止めてトイレへ行くのも戦々恐々で、小はともかく大の時、どうしたものかと小さな胸を悩ませている。銀行でちょっとおカネを下ろすのも躊躇われる。
 食事も、何処かの店でゆっくりなんて論外で、今まで以上にコンビニ弁当(おにぎり!)のお世話になることが多くなりそう。
 仮眠が一番、困る。もともと歩行者はもとより、車の通行にも支障のない裏通り 
の目立たないような場所を選んで、小一時間ほど仮眠を取るのだが、何処で休んでいても、管理員かお巡りさんがやってくる。
 で、窓をコンコンとされ、あるいはマイクで大きな声で、「どきなさい!」って、追い散らされる。
 どうやって休憩を取ったらいいのだろう。

 さて、真面目な話、「駐車違反取り締まり件数、やや減少…民間委託1か月」といったニュースが徐々に出始めている。
「駐車違反取り締まりの民間委託制度が導入されてから1か月間の取り締まり件数は15万4125件で、昨年1年間の月平均(約17万3000件)をやや下回ったことが5日、警察庁のまとめでわかった。同庁では「民間委託に伴って駐車対策を強化したことで、違法駐車そのものが大幅に減ったことが要因」と分析している」というのだ。
 また、「6月中の民間監視員による取り締まり件数は4万8681件で、警察官らによる取り締まりを合わせた総数の31・6%を占めた」という。

 さらに、「新対策の効果を調べたところ、東京都内の幹線道路10路線(計約32・1キロ)では、先月の平均の渋滞の長さが、昨年同期から29・4%も減少した」とのことだが、それは小生も都内を走っていて実感している。
 路上駐車する車が片側の一車線を潰していたものが、駐車車両の激減で、両側の車線共に、一車線ずつ新たに増えたような効果を生んでいるわけだ。
 ただし、表通りで駐車できない車が裏通りで止めようと涙ぐましい努力(?)をしていたりする。それでも、追っ手の目を逃れることはできないことは、上記の通り。

 余談だが、小生は、勝手の知らない町へ出かける際は、バイクを使わなくなっている。駐車違反取り締まりの民間委託制度の対象は何も車に限られているわけではないのだ。
 まして、乗用車を使われている方は、外出先で駐車場を探したり、空きを待つ時間が惜しいことなどもあって、車ではなく電車・バス、そしてタクシーを使われる方が増えているとか(推測だが、自転車の利用も増えていると思われる)。実際、タクシーの日中の利用回数は(小生の感覚からすると)ある程度、増えているようである。

 余波というと、駐車場ビジネスが繁盛しているのは容易に想像が付くとして、困っている関係者も少なからずいる。ただ、配送関係の業界だと、当局に交渉しての結果なのか、駐車禁止の解除や緩和が実施となったケースもあるようだ。
 タクシー業界も、団体として交渉する余地があるのでは。他の車の通行に障害とならない場所で、運転手が中で寝ている状態で、休憩を取っている場合は、摘発をしないようにといった要望をすることは可能なのではなかろうか。
障害者やお年寄りを送迎する「福祉タクシー」事業者でつくる福祉輸送サービス協会(東京)などは六月、駐車違反の対象とならないよう警察庁に要望した」といったニュースも報道されていることを参考にすべきだろう。

「出頭は不利」の不思議 - ドライバーはデジカメ監視員にご用心! - nikkeibp.jp」なる記事は興味深いが、どうだろう。
 尚、小生は、「タクシー事情追記」など、既に幾つかタクシー関連の記事を書いてきた:
無精庵徒然草 タクシーエッセイ」その他。
 ついでに、小生の所属するタクシー会社は、先月末、「タクシーランキング(法人タクシー事業者ランク評価)」で、栄えあるAAランクに返り咲いた!

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コメント

私なんぞ、周囲のほぼ全員から「間違いなく運転に向かない性格」だと太鼓判を押されているものだから、タクシーに乗るたびにほぼ毎回、その運転技術に感激して、ドライバーさんを褒めちぎってしまうんだけど、やっぱり仕事としては独特の過酷さがあるよね。
凶器操縦する仕事だし、しかもタイムテーブルが一般的な人間の日常的生理から乖離している。
最近、タクシー乗るたびに(そんなには乗らないんだけれど)、ついドライバーさんのネームプレート確かめちゃったりして・・・。

投稿: 志治美世子 | 2006/07/10 10:53

渋谷に実習に行っているのですが夜の渋谷を歩いているとああこの街は病んでいるとつくづく思いますね。
タクシー一つとってもバスの停留所のすぐそばで客を降ろすーバスがすぐ後ろからクラクションを鳴らすもお金の受け渡しが終わるまでタクシーはどかないー。
そんなドライバーばかりじゃないのは勿論でしょうが夜の都会をながす弥一さんに東京という都市はどううつりますかね。
さて実習もあとわずかー病んだ渋谷とはもうおさらばです。

投稿: oki | 2006/07/10 15:26

志治美世子さん、習うより慣れろ、です。
小生にタクシードライバーとしての適格性があるかどうか不明ですが、最初の一年はうんざりするほど苦労しました。仕事へ出かけるのが憂鬱でならなかった。地理も難しいし。事故は怖いし、接客も難しい。
今も慣れたというより、とにかく路上においては一切、油断しないことです。油断禁物。一寸先は闇、板一枚下(上も右も左も)は地獄が口を開けて待ってます。
運転していて、つくづく思うのは、運転は腕前では全くない。ひたすら想像力です(生意気を言えば思いやり)。路上などの情報を誰よりも早く的確に入手し判断する。そして死角を想像する。
車を運転すると、その人の性格が出るっていうけど、小生は思うに、その人の幼児性が出てくる。
つまり、周りの誰もが(自分も含め)子供なのです。
そう思っておけば、乱暴な運転を見ても、あれはガキだからって、余裕を持ってやり過ごすことができるのです。
たまーに、お客さんにありがとって言われると舞い上がります。この前、事務所に「ありがとう」って、年輩のご婦人からお礼の電話を貰ったっけ。それが励み(売り上げを励みにしたいけど、ちょっと無理みたい。悲しい!)。
そうそう、都内を走っている時、この中に、ネットの仲間やサンバのメンバー、昔の会社の同僚がいないかなって思って、キョロキョロ…。
なんて、本当は、素敵な女性に目移りです?!


oki さん、いよいよ実習も終わりですか。着々とステップを踏んでいるのですね。
最近は渋谷での営業は避けている(別に渋谷が嫌いとかではなく)。道玄坂とかで周りを見ていると、結構、楽しい。退屈しないね。
町が、あるいは風景が、また人が病的に見えるのは、かなりの程度、自分の精神状態が反映しているのだと自分では思っている。
まあ、渋谷や新宿や青山や六本木は年中無休の祭り(祭祀)の空間なのです。そう思ってみてみると、結構、楽しいような気がする。
タクシーは、お客さん次第の面があって、こんな場所で降りるのことがよくある。他の交通の邪魔になりたくない…けど、思い通りに行かない場合は絶対ないとは言えないのが残念なところ。
マナーの悪いドライバーが一人でもいると、みんなそうだと思われてしまうのが困るところ。

投稿: やいっち | 2006/07/11 05:57

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