進化の「謎」を探れ! 徹底対談「生命40億年史」
昨日のブログ「読書拾遺……ハイラル通信」の末尾で、逸早く読む機会を得た高間大介/田近伸和著『進化の「謎」を探れ! 徹底対談「生命40億年史」』 (アスコム)のこと、対談形式の本書の二人それぞれについて、簡単に触れている。
車中での読書に相応しく来週の営業まで読むのを控えようと思っていたが、寝床に入って、本の表紙などをペラペラ捲っているうちに、つい読み始めてしまった。
どうしても、こうした生命の起源論とか進化論議、特に本書の最初で結構、詳しく扱われている恐竜の話となると、目がないもので、まあ、今日一日は本書に費やされそう。
→ 高間 大介著『46億年 わたしたちの長き旅―地球大進化と人類のゆくえ 』
こうした関係の本を読むのは好きなので、知っている話もあったが、目新しい情報も多い。
特にランドマーク理論というのは、小生には初耳。
ネットで検索してみたが、検索の網に掛かったのは一件だけだった(ちなみにランドマーク理論の提唱者であるギュンター・ヴァクターシャウザー博士の名前で検索しても、このサイトが浮上するだけ):
「silkyway -Only is not lonely.- 46億年 わたしたちの長き旅」
どうやら、高間 大介著『46億年 わたしたちの長き旅―地球大進化と人類のゆくえ 』(NHK出版)が紹介されているようだ。
日本語のネット上では、 ランドマーク理論は(ギュンター・ヴァクターシャウザー氏も含めて)初登場ということになるのか。
← 15日の朝、帰宅しバイクを止めたら、足元に生えているのに気づいた。(キン)エノコロだろうか。ちょっと違うか。疲れきった小生を迎えてくれるのは雑草だけ。
それにしても、対談に当って両人とも関係の文献や情報を事前に摂取したのだろうが、田近伸和氏もだが、高間大介氏がそれにしても詳しいと、ややいぶかしく思っていたが、なるほど、番組を作る必要に迫られる面もあるのだろうが、古今、特に最新の理論・研究に目配りしているわけだ。
小生など、『進化の「謎」を探れ! 徹底対談「生命40億年史」』を読みながら、NHKの看板番組ともいえるこうした特集を組み制作するに当っての苦労話をもっと知りたいと思った。
→ こんな美女が迎えてくれる……わけないしね。写真でも夢を見ることが出来るのは人間の特権なのか。
それはまた裏話になるわけで、テレビを観るだけの立場からすると、詮索心もあるし、興味津々なのである。番組を創る、その制作過程をドキュメント風にでも、できれば赤裸々に語ってもらいたいと思ったりする。
← リチャード・ドーキンス著『悪魔に仕える牧師』
進化の話題というと、スティーヴン・ジェイ グールド著の『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』 (早川書房、ハヤカワ文庫NFに所収)が面白い。初めて読んだ時はカンブリア紀の凄さに感嘆したものだったが、本書の内容に付いては、『利己的な遺伝子』などの著者であるリチャード・ドーキンスに厳しく論難されていたっけ。
そうした非難は、リチャード・ドーキンス著『悪魔に仕える牧師』(垂水 雄二訳、早川書房)の中で纏められていた。小生は、拙稿「悪魔に仕える牧師」の中で本書を扱っている。
実は、本書は畏友であるスティーヴン・ジェイ グールドへの惜別の辞が載っていたりする。そう、スティーヴン・ジェイ グールドは亡くなっている。
批判の応酬はあっても、胸中においては進化論の最前線で互いに鎬を削り合う戦友の意識があったというのだ。
→ ウォルフ著『地中生命の驚異』
さて、小生にしても、こうした進化論や生命の起源の問題、恐竜の話に興味があると書いたが、例えば拙稿に下記がある:
「ウォルフ著『地中生命の驚異』」
「最初の生命は極めて「ローテク」で、今日の細胞と異なる材料で作られていたのだろう。進化は、極めて単純で容易な道に沿って始まったのだろう。粘土は自然に自己集合し(地質学的また水理学的な力を借りて)、自己複製を行い、初期の地球に大量に存在していたと思われるので、遺伝子の前駆物質になりやすかっただろうと彼は論じている。」という辺りが眼目か。
← リチャード・フォーティ著『生命40億年全史』
進化の話題というと、恐竜も興味深いが、古生代全体を3億年ほど生き抜いた生物である三葉虫も、ある意味恐竜以上に<成功>したという意味合いでも興味深い。
例えば、リチャード・フォーティ著『三葉虫の謎―「進化の目撃者」の驚くべき生態』(垂水雄二訳、早川書房刊)は面白かった。拙稿である「リチャード・フォーティ著『三葉虫の謎』」で若干の紹介を試みたことがある。
小生は、リチャード・フォーティの本のファンで、生命の起源に関した本というと、彼の著作である『生命40億年全史』(渡辺政隆訳、草思社)が面白かった。この本については、拙稿「フォーティ『生命40億年全史』(1)」などで扱っている。
→ 中沢 弘基著『生命の起源 地球が書いたシナリオ』
「生命の起源 地球が書いたシナリオ」
「生命は地下で発生し海に出た――依然、謎とされる「生命の起源」にまったく新しい観点から挑む探求。完全な無機世界からの有機分子の出現、生命の発生は、いつ、どのように起きたのか。解く鍵は、46億年のダイナミックな地球の歴史にあった。「太古の海は生命の母」という常識がくつがえる豊かな世界が見えてくる。 」というのが大枠の説明のよう。
← 故・カール・セーガン著「『エデンの恐竜―知能の源流をたずねて』
恐竜の話題を扱った本というと、「読書拾遺……ハイラル通信」の末尾でも紹介したが、故・カール・セーガン著の「『エデンの恐竜―知能の源流をたずねて』(長野 敬訳、秀潤社)は秀逸。
「店長とっておきの1冊 - エデンの恐竜―知能の源流をたずねて - わたしの本棚からあなたの本棚へ~オンライン古本ショップ【てつがくのみち】店長のライブラリーから所蔵本をお安く販売」など参照。
古い本なので研究上は、留保を要するのは当然として、進化の不可思議について瞑想に耽るのが好きな方には絶品かも。
あれこれ紹介してきたが、生命の起源に焦点が合っているわけではないが、進化論を論じるというのなら、一度は目を通して欲しい本にダニエル・C. デネット著の『ダーウィンの危険な思想―生命の意味と進化』 (青土社) がある。
本書に付いては、さすがに扱いかねて、「ダニエル・デネット著『ダーウィンの危険な思想』の周辺」といった変則的な雑文を書くに留まっている。
ただ、進化論を論じる本を読む際には、本書の内容を判断の基準にすることが多いような気がする。
→ ダニエル・C. デネット著『ダーウィンの危険な思想―生命の意味と進化』
やや異色となると、きりがないのだが、例えば偕成社文庫中のH・G・ウェルズ著『モロー博士の島 完訳版』( H.G.ウェルズ作、雨沢泰訳・解説、佐竹美保:カバー絵・さし絵)など面白い。拙稿「H・G・ウェルズ著『モロー博士の島』」でザッと触れているが、瞑想に誘う本という意味でもまさに異色の本である。
「ディーコン著『ヒトはいかにして人となったか』」という拙稿から派生して、決定的に蛇足といえる拙稿を書いたことがある。
題名も、「『ヒトはいかにして人となったか』(蛇足篇/及び補足)」で、一部には評判を読んだが、大方においては顰蹙物だったもの。読まないほうがいいかもしれない。
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