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2006/06/08

何日君再来…おおたか静流

 体調が思わしくないので、ネット上をぶらぶら。
 まず、「徒然なるままに:南国風味」でオヤッ。
 素敵な画像と気の利いた短い文章との絶妙のバランスがいい。来訪者が多いのも納得。
 見られるように、奇妙な画像が載っている。ブラシのような。
 本文には「たわし」とある。コメントを読むと、どうやら「ブラシの木」のようだ。
 解説を読むと、「蒲桃(ふともも)科」とあって、また、愉快。
「オーストラリア原産」のこの樹木は、まさに、「花が、ビン洗いのブラシにそっくり♪」
 だから、ブラシの木。そのまんまだ!

Knenk12

 そういえば、以前、紹介したことのある「エノコロ」や「キンエノコロ」も、見るとホッとする植物だ。
 ちょっと、「野原のことなど」なる頁を覗いてみて(絵の説明などが載っています)。ある人の手になるキンエノコロの素敵な画が載っている!

 そうそう、拙稿の「桑の実を小籠に摘んだはまぼろしか」に寄せてくれたコメントの中に、「苗代苺も畦道や雑木林の下に生えているのを見つけてはよく食べました。同じような木苺類で、明るいオレンジ色のものもありましたっけ。名前は良く知りませんが、オレンジのの方が甘かったことは良く覚えています」というものがあった(太字は小生の手になる)。
 オレンジ色…。
 当初、「桑の実を小籠に摘んだはまぼろしか」の中で参照した、「武蔵野だより 桑苺(桑の実)」なる頁に載っている「桑苺(桑の実)」の中の各種ある色の実を勘違いしているのかと思ったが、文意からしてちょっと無理がある。
 分からないのだが、ネット検索してみたところ、「カジイチゴ」なのかなと思ったり:
カジイチゴ写真-1
カジイチゴ
 後者には、「花は3月から5月にかけて咲き、果実は5月から6月にかけて橙色に熟す。昔はよく食べたものであるが、最近は少なくなった。」といった説明が載っている。

 火曜日の営業中、ラジオで「おおたか」ナントカという名前の歌手を特集した番組をやっていた。
 進行役(キャスター)の須磨佳津江さんの紹介だと有名な歌手らしいが、小生は初耳(乃至は綺麗に聞き流している)。
 調べたら、「おおたか静流」という歌手のようだ。
 その公式サイトには、「東京都出身。7歳よりクラシックの声楽家に師事。その後ジャズ、民族音楽の洗礼を受け現在のノンジャンルに至る。オリジナルアルバムを18枚リリース、CMはこれまでに数百曲を歌唱し2002年、自作曲の「I remember you」がNTTデータ 企業広告のCM音楽に使われ、International Broadcasting AwardsでWorld's Best Radio And Television Advertisingを受賞。現在、NHK教育テレビ番組「にほんごであそぼ」の音楽プロデュース他ジャンルを超越したヴォイス・アーティストとして様々なコラボレーションを展開中。」などと紹介されている。
 耳聡い人なら、CM音楽で聞いていて、歌声をラジオで聴いたら、ああ、聴いたことがある! となるのかもしれない。
 あるいは、NHK教育テレビ番組「にほんごであそぼ」を視聴した事のある人も、知っているのかもしれない。
 歌は勿論だが、公式サイトの中には、「語感七色」という頁があって、結構、読んでみて楽しい。テレサ・テンさんとも歌を介して間接的ながら交流があったとか→「No11. モチーフ・・・・・何日君再来
何日君再来」という曲、きっと、テレサ・テンさんのファンなら聞いたことがあるに違いない。
 が、この曲、「今もメディアでは自粛されているようです」とのこと。その理由は…、どうぞ、サイトへ飛んでエッセイを読んでみてください。
 いずれにしても、元はというと、テレサ・テンさんも、この歌を歌って、中国当局から警戒されたのだった→「テレサ・テン

 恐らく、おおたか静流さんの歌をじっくり聴いたのは初めてのはずである(CM音楽で聴いたことがあったなー、とは思ったけれど)。
 透き通っていて綺麗な、よく通る声。一歩、違うと矢野顕子さんのようだが、あくまでのびやかである。
 じっくり聴いていると(そう、火曜日の営業も悲惨だったのだ)、日本というより中国か何処かの大陸の空を風と共に吹きわたっていくような快感を覚えてくる。
 おおたか静流さんは、公式サイトを覗いてみると、英語表記では、「Sizzle Ohtaka」となっている。「静流」と書いて「しずる」と読む。
 面白い(?)のは、「Sizzle」という英単語があって、その意味は、「 vi., n. じゅーじゅーいう(音); 〔話〕 大変暑い; 非常な熱[興奮]; 〔話〕 かんかんに怒る」だということ。
 彼女の声とは真逆なのである!

0266879800001
 実は、月曜日だったか、図書館で坪内 稔典著『季語集』(岩波新書 新赤版)を借り出してきて、火曜日の営業中、車中でパラパラ捲っていたのだが、その中で教えられたことを季語随筆のテーマにしようと思っていたのだった。
 が、ちょっと時間がないので、後日に回す。
 その点とは、日本は嘗ては二季の国だった。それが中国文化の流入の中のひとつとして四季がやってきて、それ以来、四季を自覚するようになったというのだ。
「色」についても、古代は結構、大雑把な括りだったことは、いつだったか採り上げたことがある→拙稿「春光・色の話」や、特に「色の万華鏡」なるサイトが素晴らしい!
 四季の感覚も日本の中に根付いて長いし、日本の風土と歴史の中で洗練されたものだということは改めて自覚しておいてもいいのかも(と、直感的には思ったのだが、ま、どのような展開が見られるか、後日の楽しみということにする)。

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コメント

 こんばんわ。
 まぁ、こんなところで私のサイトのお話が・・・・・。
 やいっちさまのような方にこういった形で紹介されると照れてしまいますね。

 ありがとうございます。

 ところで日本って、昔は、四季じゃなくて二季だったって驚きました。
 色も大雑把だったって・・・・・。
 平安時代とかの重ねの色って、組み合わせによっていろいろな種類があったりするから、昔からそういうの細かいのだろうと思っていたら、中国の影響だったんですね。

 後日、やいっちさまがこのことについて書かれるのを楽しみに待たせていただきますね。

投稿: RKROOM | 2006/06/08 22:07

こんにちは。
カジイチゴの情報をありがとうございます。
なるほど、これは南方系なのですね。
だから子供の頃は見かけたのに、北関東をウロウロと引っ越しまわっていた大人になってからは見たことがなかったのだと、得心がいきました。

おおたか静流さんは、もうずいぶん前のNHKスペシャルで「大英博物館」を放映した時に、確か主題歌を歌っていた、式部というグループのボーカルをされていました。あの独特の脱力感を感じるようなゆるゆるとした歌声が好きで、当時何枚かアルバムを買った記憶があります。
こちらでお名前を拝見できたのがなんとなく嬉しいです^^

投稿: 縷紅 | 2006/06/09 11:56

RKROOM さん、
「色」については、大雑把なことは書いたり、典拠を紹介したりしてあるのですが、「四季じゃなくて二季だったって」ことは、小生も驚き。
まだ自分なりの裏付けを取っていないので(本文で紹介した本からの受け売りなので)、時間を設けて周辺を探ってみるつもりです。
あのブラシの木の画像、素敵です。借りて載せたかったってのが本音です。


縷紅さん、カジイチゴは、小生の郷里、富山では小生は見た事がない。記憶が薄れただけなのか…って、思っていたけど、あのサイトの説明で自分なりに納得していました:
「Y.HADA'S Home Page」の中の「カジイチゴ」

体調のほう、相変わらずのようですね。病院嫌いは小生も同じです。風邪を引いても風邪薬は飲まないで、ひたすら寝て直す頑固さ。
そんな小生が言うのもおこがましいのですが、他に原因があるかもしれないし、こじらせると大変だから、(複数の)病院へ行ったほうがいいのではって、老婆心ながら思います。

「雑文・御題用雑文・御題用」では面白い試みをされてますね。小生も何かやってみようかしら。

投稿: やいっち | 2006/06/09 12:47

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