帰省の列車から
画像は、帰省の列車中から撮ったもので、そろそろ越後湯沢に到着かなという場所からの景色。窓に車内の模様が映っていて、外の様子が分かりづらいけど、遠くに雪の残る連山が見える。
窓に映る弁当は小生のものじゃなく、お隣の男性のもの。
小生は、自宅で炊いたご飯が余ったので、でっかいおにぎりを作った。中には梅干を三つ、外には焼き海苔を二重、三重に巻いて。
海苔が分厚すぎて、食べるのに難儀したけど、案外と美味しかった。
これが小生のおにぎり作りの初体験なのだった。
おにぎりの我が手に余るでっかさよ
そうそう、列車のお供に、本は当然、持参している。
一冊は、菊池寛著の『真珠夫人』(文春文庫)、一冊は、マーカス・デュ・ソートイ著の『素数の音楽』 (冨永 星訳、新潮クレスト・ブックス)である。
前者は、割合と最近(もう昨年?)、テレビドラマ化されたから、題名を知っている人は多いだろう。昔の大ベストセラーなのだね。
後者は、「世界で最も乾いた土地」の末尾で若干、触れているが、後日、改めて紹介するかもしれない。面白い。数学(数式)が苦手な人にも楽しめるように叙述する技術に欧米の学者はホント、長けているね。
出版されて十ヶ月にもならないのに(図書館の蔵書になってからは、当然、もっと短いはずだ!)、本はかなり手垢が付いている。
ということは、相当、借り出され読まれているということを意味するし、たまたま図書館で物色していて発見できたのは運がよかったということか(実際、数学の本のコーナーは行けば必ず物色するが、目にした記憶はない。素数というのは、小生のお気に入りのテーマだし、見逃すはずがないのだ!)。
富山駅に着いたら、「2005年05月の索引…富山情報…浅野総一郎」でも紹介した、運航を開始したばかりの新型超低床車両の路面電車「ポートラム」に乗るのを楽しみにしていた。
けれど、乗り場が分からず、駅員に場所を聞いた。
路線の名前や電車の愛称を度忘れし、
「岩瀬浜のほうへ走る、今度できた新しい電車は何処で乗れますか」
すると、若い駅員が言うことにゃ、駅の表の改札口へ行けば分かる、と。
小生、こっちのほう? と言いつつ、向かった。
行ってみたら、改札口の駅員は、それは駅の北口、つまり今いる表の改札口とは全く逆の側を出た外にあるという!
バッグには自宅で使うつもりでパソコンを忍ばせているし、お土産などを買い込んだ紙袋も持っているので、もう階段の上り下りでヘトヘトの小生、もう一度、北口へ行く気力は萎えていた。
そのまま、表の改札口を出て、タクシーに乗り込んでしまった。若ければ、パソコンを持っていなければ、十数分の距離だし、普通なら歩いて駅から田舎の家に向かうはずなのだけれど。
乗るのを楽しみにしていたのに、がっかりだ!
タクシーを街道沿いの我が家への曲がり角で降り、やや細い道を家に向かうと、空に三日月が杉木立だろうか、それとも松だろうか、真っ黒な樹木の影越しに見えた。美しい! シャッターチャンスと思ったけれど、疲れきっていて、デジカメを取り出す気力など湧いてこない。
樹の影をいや増し濃くし月の照る
帰宅したら、両親のほか、姉や姪っ子の一家が居て、迎えてくれた。
普段、一人きりの生活に終始していて、音と言うと窓の外からの雑音か、屁か、テレビなどの音しか聞こえないだけに、幼稚園に通う小さな子らの歓声や姉らの立ち居などの賑やかさが嬉しい。姉はカレーや中華飯を作ってくれていた。カレーは翌日に回し、中華丼を食べた。やはり作りたては美味しい。列車中で、でっかいおにぎりを食べていなかったら、お代わりしただろう。他に筍の煮付けやタクワンが食卓を賑わせていた。
彼らには東京駅で買った東京銘菓の「ひよこ」をあげた。姪っ子は、フィギュアスケートの荒川静香に似ている(と小生は思っている)。
そうした一家が帰った後は、両親と小生の三人に。
すると、お袋の姉が先月末に亡くなられていたことを告げられる。既に葬式も済ませたとか。88年に脳梗塞で倒れ、一命は取り留めたものの、救急車を呼ぶのが遅かったせいもあってか、体が不随になり、以来、18年間、寝たきりの生活だったのだ。
数年前に、やはり寝たきりになった母の別の一番上の姉のところも併せ、お袋とお袋の妹を連れて車でお見舞い行脚に病院(リハビリ施設)に行ったっけ。
それが彼女を見た最後となった。小生が長く独身でいることを心配してくれたものだったけど。
18年間、寝たきりの生活。あまりに長すぎるし、悲しすぎる。
しかも、心配をかけた小生が未だにこの体たらく!
合掌!
あざなえる禍福残して人の逝く
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