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2006/04/02

杉の花…花粉だけじゃない!

 スギ花粉の季節がようやくピークを過ぎたようだ。
 今年は飛散の量はさほどなかったらしく、実際、町中を車で流しても、傍観者には大仰に見えるマスクを装着した人の姿は例年ほどは見かけなかったような気がする。
 この花粉のせいで、すっかり嫌われ者になったような感もある杉。「杉の花」は立派な春の季語である。議論はあったようだが、「現代俳句歳時記(現代俳句協会編)」などでは、杉花粉症も傍題(類義語)として季語の一つである。
 但し、「花粉症」は微妙のようだ

Sionsakuracome

→ 紫苑さんにいただいた桜の画像です。庭には椿、サザンカ、クリスマスローズ、諸葛菜(紫なずな)、ゼラニューム、ポリアンサス、梅、桃……と咲くとか。どんな庭か、散策してみたい!

雄花は米粒大で枝先に群がり、黄色の花粉を飛ばす」というが、これが厄介者となっているわけだ。
 咲いても喜ばれない、その杉の花とはどんな花なのか。
 まずは、人によっては見たくない画像だろうが、「甚平鮫」サイトの「杉の花がパンク寸前」にて杉の雄花が膨らみかけている様子を見てみよう。
 もう、この今にも弾けそうな、はちきれんばかりの花の状態を見るだけで、花粉症の方でなくても鼻がムズムズしてきそうだ。
 ちょっとびっくりしたのは、「杉の花と言えば・・・杉鉄砲!」の一言。えっ、そんな鉄砲(遊び)なんてあったっけ。
 あるいは小生もガキの頃は仲間の輪に加わって、楽しんでいたのだったろうか(ヒジ鉄砲なら喰らったことはあるけど…)。
 これについては、「大末畳店」サイトの「道具を作って遊ぶ すぎ鉄砲 他」が詳しい。
 要するに紙(水)鉄砲の紙(水)の代わりに杉の実を玉として使う。竹が砲身で、竹の外側を使って芯棒を作るということだが、ここまで詳しく説明されてもピンと来ないことからして、やはり杉鉄砲では遊んでいない気がする。
 鉄砲を撃つと、独特の音がするというが、一度は聞いてみたいものだ。

 杉の花…。別に黄色などの花が咲くのではなく、松ぼっくりのような茶色の塊が花なのだろう。
年寄りのたわごと 杉の花」で見ると、杉の花の様子が一層、分かる。

 さて、「杉の花がパンク寸前」の画像の次は、「既に花粉の飛散が終わった杉の花」の画像を見てみよう(「遊戯終焉-ウェブリブログ」より)。画像が必ずしも鮮明ではないが、いかにも出し尽くしました、やるだけのことはやりました! という精根尽き果てた感の漂う様が歴然。

 しかし、杉のこと、植物のことなら、専門のサイトを覗くのが一番。
北信州の道草図鑑」の「スギ(杉)」が簡にして要を得ている。
「花粉症を引き起こす悪名高いスギの雄花」の画像が載っているが、実用にも供せられるし、薬効もあるというから皮肉である。

 ネット散策していたら、「俳句と写真と歌と・・・:ふるさとの季語-27 杉の花」にて、「杉の花林の奥を暗くして」という句を見つけた。ここのサイト主の方の句なのだろうか。多くは数十年前に一斉に植えられた針葉樹の杉の林の持つ、落ち着いた、どこか村のはずれという感を漂わせる様子がよく表現されていると感じた。
 春となると、虫も草も木も一気に蠢きだし芽吹き始め命を発散する。鳥たちだって餌が豊富になったと、喜びの囀りを高らかにする。森や林の緑と共に闇も深まる。闇の深さというのは命の横溢のしるしでもある。
 だからこそ、「杉の花林の奥を暗くして」なのだろう。

 杉花粉症などで汚名を着せられている杉だが、命の木というイメージを杉の木に抱いてもいいような気がする。
巨樹探訪」サイトの「杉の巨樹」なる頁を覗いてみる。
 有名な鹿児島県屋久島の「縄文杉」や新潟県東蒲原郡の「三川村の将軍杉」、岐阜県白鳥町の「石徹白の大杉」、高知県大豊町の「杉の大杉」、福島県岩代町の「杉沢の大杉」と、いずれ劣らず凄い!

 巨樹のリスト中、富山県魚津市の「洞杉」が載っているが、リンクが張ってない。検索してみると、「日本の巨樹・巨木」の中に「洞杉群」なる頁を見つけた。載っている杉の画像も凄いが、解説に、「魚津市の南方、南又谷に「洞杉」があることは知れ渡ってしまったが、その近くの山林内に30m超のスギがあることが発表されたのは2004年6月のこと」とあるのが気にかかる。
 が、今日はもう疲れた。杉たるは及ばざるが如しだ。そのうちに改めて調べてみたい。


 咲かずとも命の滾る杉の花
 根を張って大地とならん杉の花

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コメント

国見さん、TBありがとうございました。
普通杉の実と言っているのはじつは花なんですね。
杉の実鉄砲のことが出てきましたが、私は造ってやりましたよ、
あのころは何でも竹鉄砲で、ヤブランの青い実も使いました。
それが戦前の田舎の子供たちの遊びだったのです。

投稿: なかひさ | 2006/04/02 08:32

そうそう屋久杉なんてありましたね。
花粉症なんて僕の小さい頃はなかった。
日本人の体質が変わったのか外来種のためなのか?
外国の花粉症というのもニュースで聞きませんよね。
樹の医者なんていますよね、樹も生き物だ、勝手な伐採なんてやってるとひどいめにあう。
小田急が高架事業で近くの駅のシンボル的存在だった古い樹を伐採するのではなく移植して残したということもありました、まあ評価できるかと。

投稿: oki | 2006/04/02 13:05

なかひささん、こんにちは。
杉の花の画像が見事だったので、TBだけして挨拶もせず、失礼しました。
杉の実鉄砲、実際に遊ばれたのですね。
ヤブランの青い実が分からなかったので、ネットで探してみました:
http://homepage3.nifty.com/applegarden/season/200212.htm
戦前の子供たちは創意工夫して遊んでいたのですね。きっと先輩たちから教えてもらってきたのでしょう。それが代々伝わってきたのに、それが今では絶えている?としたら寂しいですね。

投稿: やいっち | 2006/04/03 02:04

okiさん、コメント、ありがとう!
スギ花粉症、杉花粉が原因の一つなのでしょうけど、あとは体質。食品添加物、ディーゼルなどの排気ガス、肉類を戦後、急激に食べるようになったという食習慣の変化が考えられているようです。
桜見物もピークを過ぎたようだけど、ホントに桜を愛するなら、桜の木の根元に茣蓙を引き、木の真下で宴会をして騒音を発し、桜の枝を折るなんてことなどしないはず。
枝を折ると、折られた部分が感染症となって桜が弱ってしまう。
桜の木の根元で遊ぶということは、木の根っこが痛めつけられる。
桜はちょっと離れた場所から静かに愛でるのが嗜みというものだと小生は思います。
古い木は、多くの人が思い入れし、また多くの人を見守ってきたわけです。伐採など論外で、せめて植え替えて大切にしてほしいと思います。最高のリサイクル。
介護、頑張ってくださいね。


投稿: やいっち | 2006/04/03 02:12

ヤブランの青い実、ネットで探したら、ここもいい:
http://blogs.dion.ne.jp/hayato117/archives/2387707.html

投稿: やいっち | 2006/04/03 02:19

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