誰も皆 笑顔の帰り 待っている
副題:「今日は日比谷大講習会」余談
この記事は、余談というよりは、直前の記事「今日は日比谷大講習会」を書いたあとで思い出したことであったので、追記に近い。
文中、警視庁の交通関係の方より講話を賜ったと書いている。いろんな話を聞いた。子供や高齢者の事故が増えている。自転車の事故が増えている。オートバイの事故が増えている。などなど。
→ 帰りのバスの車中から携帯電話のカメラで東京タワーの雄姿を撮った。ビルの陰になりがち。夜だとライトアップされていて綺麗なんだろうけど。
(余談だが、その方は、タクシーに乗る機会が増えている。乗ったら、乗務員と話をするのが楽しみの一つだと語っておられた。が、最近は運転手の方はお喋りをする人が減ってきているような気がする、と。
不況のせいで、無口になりがちなのか。売り上げが思ったように伸びない状況がここ数年続いているし…。
そんなこともあるのかもしれないが、ドライバーの側からすると、会社からは余計なお喋りをしないようにと教育されている。
とにかく、会社や東京タクシーセンターへお客さんからの苦情が持ち込まれるのが何より困るので、運転手としては、若干、警戒気味、守りの姿勢に入っているのかもしれない。
無論、お客さんから話しかけられたら、雑談に応じるのは言うまでもない。
あるいは、近頃は、一人で乗り込んできたお客さんであっても、運転手とお喋りするより、他の人とお喋りしたり何かに夢中になっていることが多いことも背景として考えられるだろう。
そう、察せられるように、携帯電話の存在である。車中では、仕事の延長だとばかりに携帯でお喋りされている、あるいは携帯の画面に向かってメールを打っている、それともゲームに興じている、などと、とにかく以前ほどには乗っている時間に乗務員に話しかけることが少なくなった。
だからだろう、お客さんが運転手に話しかけても、つい、返事を躊躇ったりする。何も話しに応じるのが嫌なのではなく、携帯電話の相手と話しているのか、それとも自分に話しかけてきたのか、一瞬、分からず途惑ってしまうことがありえるのだ。
まあ、そんな時代だということだ。)
オートバイについては、車に比べ小さいので遠くに見えがちだが、実は案外と近いし、速度が速いので、すぐに近くに来る、よって右直の事故が増える云々の話のほか、東京都のオートバイの事故には特徴があるという話が印象的だった。
それは、他府県だと、原付きと自動二輪との台数に比例した事故の件数となっている。正確な数は忘れたが、大よそだと原付きが四割、自動二輪が六割という(登録)台数の比率だとしたら、事故も大体においてその比率で発生している。
ところが、東京都に限っては、そうした登録台数の比に見合っての事故の件数(比率)となっていない。自動二輪の事故の比率が原付きよりも多めになっているというのだ。
話はそこからすぐに自動二輪の危険さや特徴に移っていった。
が、小生、話を聞いていて、ちょっと疑問に思ったことがある。
それは、自動二輪と講師の方は大雑把に括られているが、原付きよりも排気量の大きいバイクを自動二輪とのみ呼称するのは難があるのではないか。
つまり、近年、250cc以上の排気量のスクーターが増えているという実情があることを考慮しないといけないのではないかと思うのだ。
この数年の傾向だと思うが、従来型の自動二輪、つまり、クラッチ操作を必要とするオートバイよりも、車で言えばオートマに相当するスクーター人気が圧倒的となっているのだ。スクーター、それも近年売り出されている人気の250cc以上の排気量のスクーターは、とにかく乗りやすくなっている。且つ、荷物もたっぷり詰める。格好も洗練されている。
要するに都会的なのである。便利でもある。
が、この乗りやすいというのが曲者で、乗りやすいという性能の良さを自分の腕前の良さと勘違いしてしまっている気味が見受けられる。ブレーキ性能もいい、カーブも曲がりやすい。スピードも出るが、何と言っても加速が凄い。云々。
だが、実際の交通というのは車(オートバイやスクーター)の性能だけで走れるわけがない。結局は経験が必要であり、想像力が必要なのだ。ルールとマナーを守ることが肝要なのである。
そこのところをはき違えているのではと思える若者(初心者)のライダーが増えているのだ(と小生は観察している)。
いずれにしても、単に自動二輪と括るだけでは分析としては(あるいは説明としては)不十分なのではないかと思えたのである。
自転車絡みの事故が増えていることにも触れられていた。メインとはなっていなかったが。
個人的には、自転車に乗りたいという気持ちが高まってきている。盗難の心配さえなかったら、即、買ってしまっているかもしれない。楽しそうだし。通勤に自転車を使おうかという考えもある。
小生の個人的事情はとにかく、街中を車で走っていて、自転車の無茶な運転には怖い思いをさせられどうしである。
自転車の宅配便(メッセンジャーサービスが正式な呼称なのだろうか)の信号を一切守らない走行、特に車の車線のど真ん中を車の走行の邪魔になるにも関わらず走る横暴さや、ママチャリに荷物や子供を乗せてのママさんたちの危ない運転、高齢の方、子供のこれまた危うい運転。若い人の体力に任せた無謀な運転。
幾度、小生はママチャリにぶつけられたことか(しかも、一度も謝ってくれたことがない! 中にはペダルを漕ぐ足を速めて過ぎ去った小母さんもいたっけ)。
昨日、「今日は日比谷大講習会」なる記事を書いている最中、ネット検索していて偶然、遭遇した記事があった。残念ながらその記事は見失ってしまったが、類似の記事がネット検索で浮上してきた。
それは、「違反自転車の摘発強化」というもの。主旨は、「酒酔いや信号無視 交通切符を積極活用」である。
「中日新聞ホームページへようこそ 違反自転車の摘発強化」によると、以下のとおりである(大切な情報なので、「中日新聞ホームページへようこそ」より、ほぼ全文を転記させてもらう):
自転車の事故が増えマナーも悪化しているとして、警察庁は13日、悪質な違反者については、刑事処分につながる交通切符(赤切符)で積極的に摘発するよう各都道府県の警察本部に促すことを決めた。同日中に通達を出す方針。同庁によると、歩行者や車と衝突するなど、自転車の絡んだ事故は昨年1年間で約18万件に上り、10年前の1・3倍。自転車の利用者が死傷した事故では、7割の死傷者が一時停止をしなかったり、信号無視をするなどの違反をしていた。
一方、昨年1年間で自転車など軽車両を赤切符で摘発したのは約330件。多くの違反者には安全教育の一環として「指導警告票」を手渡し、注意を促す措置にとどまっていた。
指導警告票は昨年、約112万件を交付。このうち約10万件は「通行者に危険を及ぼす違反」に対してだったという。
今後は、信号無視や酒酔い運転などで歩行者や通行車両に危険を与えたケースや、警告に従わず違反を繰り返した場合などは、赤切符による積極的な摘発に乗り出す。
各警察本部には、こうした取り締まり強化や背景を地元の検察庁や家庭裁判所にも説明し連携を図るよう求める。従来は送検しても不起訴となるなどしたためで、実効性を高めるのが狙いだ。
警察庁は「自転車であっても、法律に従わなければ摘発されると周知を図っていきたい」としており、来月の「自転車月間」には重点的な取り締まりを展開する方針。
「今日は日比谷大講習会」の中で書いたように、日比谷公会堂へは営業所よりバスで往復した。
その往路でのこと、バスの中で営業所の社員から、警視庁からとして、交通スローガンの案を募るという紙切れが全員に渡された→「交通安全スローガン募集」参照。
昨年の警視庁(東京都)のスローガンは、「おもいやり 人に車に この街に」だった。その前の年は、「ありがとう 笑顔でかわす良いマナー」だった。
で、今年のスローガンを一般より募集するというわけだ。それを考えて書けというのだ。そんなこと、突然言われても考えが浮かぶはずもない。たださえ、徹夜勤務で頭が朦朧としているのに。
それでも、仕方なく考えて紙面に書いて提出した。
小生の案は、「誰も皆 笑顔の帰り 待っている」である。
一読すると、交通スローガンとは思えないかも。
でも、気持ちは伝わるだろう。
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コメント
どうしてこの固い記事に「結婚式のイロハ」なんてサイトからトラックバックされるんだろう??
商売なのかな?
投稿: やいっち | 2006/04/17 01:05