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2006/01/25

ヴィヴァルディの四季と日本の四季(前編)

 クラシック音楽で小生の好きな曲にヴィヴァルディの「四季」がある。本当のクラシックファンなら誰の演奏とか誰の指揮によるものとかという拘りを持つのだろうが、小生はそこまで深入りはしていない。とにかくこの曲が架かると嬉しいのである。
 この曲にはささやかな思い出がある。まあ、学生時代に友人の影響を受けてクラシック好きになったのだが、ブラームスやメンデルスゾーン、チャイコフスキーそしてモーツァルト、バッハ、シベリウス、ワーグナーと聴いていったが、ヴィバルディは敬遠していた。
 恐らくは学生になる前、田舎で暮らしていた頃、ヴィバルディの「四季」は皇室アルバムという番組のテーマ音楽に使われていたのである。小生自身は、この番組には全く興味がなかったが、父が日曜日の朝には好んで見ていたので、番組内容より、とにかくテレビが見たかった小生は、朝食後の間もない時間帯ということもあり、テレビの音声をBGMに漫画の本を読んでいたような記憶がある。
 ヴィバルディの「四季」にも皇室アルバムにも罪はないのだが、ミスマッチな感じがあって、結果的にこの曲に妙な色合いが付いてしまって、とうとうバロック音楽全般まで敬遠するようになってしまった。

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→ Charlie K. さんの手になるリベルダージ新年会(G.R.E.S. LIBERDADE "FELIZ ANO NOVO 2006" )画像の一つ!

 が、離郷して二十数年、会社を首になり失業保険で暮らしていた頃、プールと図書館とレンタルショップ通いで日々を過ごしていた(自宅では読書と執筆)。
 レンタルショップではクラシック音楽を借りまくっていた。手元不如意で買うのは躊躇われていた分野もレンタルで借りて、ハイドン、ヘンデル、アルビノーニ、そしてヴィヴァルディとテープをダビングして夜毎日毎聴いていたのだった。
 友もいないし、誰も来ない部屋で、隅っこには引っ越してきた当初購入した鉢植えの観葉樹が未だ露命を繋いでいて、その緑が小生を慰めてくれていた(壁にはアングルの「泉」と、入居した90年頃に入手した杉本彩さんのセミヌードカレンダーの表紙が貼られたまま。当時は未だセミヌードだった。それが今じゃ…)。
 約一年と半年の間に随分とダビングしたが、今も後ろを振り返るとテープたちがもう一度聴いてくれよと待っている(カセットが故障していて聴けないのだ)。
 ヴィバルディはいろんな曲を聴いたが、結局、「四季」で落ち着いた。郷里にいた頃番組で蒙った色合いも薄らいでいた。その「四季」も、イ・ムジチ合奏団などいろんな録音で聴いたものだった。

 この曲はポピュラー過ぎて、クラシックファンだと好きだと公言するのは憚られる向きがあるようだ。「後年20世紀ロシアの大作曲家ストラヴィンスキーが彼を称して、「同じ協奏曲を500曲も書いたもっとも退屈な作曲家」と評したのは有名な話」らしいし。
 その点、何事にも初心者の小生、単純素朴に好きな曲なのである。
 随分とヴィバルディらに慰められたのも紛れもない事実だし。

 クラシックや、ましてバロック音楽に通暁しておられる方なら常識に類することなのだろうが、「四季 (ヴィヴァルディ) - Wikipedia」を参考に、この標題音楽の主に音楽内容(表現が意図されている内容)の構成を見てみよう。

 その前に、「「四季」(イタリア語:Le Quattro Stagioni、英語表記はThe Four Seasons)は、イタリアの作曲家アントニオ・ヴィヴァルディによって作曲された、12曲から成るヴァイオリン協奏曲集《和声と創意への試み》 (Concerti a 4 e 5 "Il cimento dell'armonia e dell'inventzone") 作品8の内、第1曲から第4曲までの4曲「春」「夏」「秋」「冬」に付けられた総称である。ただし、ヴィヴァルディ自身による命名ではない。」(「四季 (ヴィヴァルディ) - Wikipedia」より)といった説明を施しておく必要あるのだろうが、そんな野暮な説明は音楽ファンなら今更の説明だろうし、そうではない方には右の耳から左の耳の事柄なのだろう。
 
 あるいは、「アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi, 1678年3月4日 - 1741年7月28日)はバロック末期の作曲家。イタリアのヴェネツィアに生まれ、オーストリアのヴィーンで没した。10歳のとき、サン・マルコ大聖堂 (Cappella di San Marco) の オーケストラにバイオリニスト見習いとして入団したのは、理髪師でバイオリニストでもあった父親の影響があったと思われる。15歳より修道院に入り、25歳に彼は司祭に叙階される。そのことと、彼が赤毛であったことから赤毛の司祭と呼ばれるようになる。彼は喘息を煩っており、ほとんどミサをあげることがなかった。司祭になると同時にヴェネツィアの女子修道院ピエタ(Ospedale della Pietá) でバイオリンを教えはじめ、2年後には作曲と合奏を教えるようになる。その後、数多くの作曲をし、各地を演奏旅行して回った。」(「アントニオ・ヴィヴァルディ - Wikipedia」より)というのも、読み飛ばされる事項に過ぎないのだろう。

 ヴィヴァルディは協奏曲集なども売れていて人気があったのに、死んだ時には一文無しだったと言われる。
 埋葬された墓地も貧民墓地(共同墓地)だったという。
 この点については、「バロック時代のイタリアの作曲家、アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi 1678-1741)についてのサイト」だという「赤毛の司祭」というサイトが情報豊富で助かる。
 その「BBS 5 「生涯・人間像」掲示板」の中に、サイト主であるカーザヴェーチャさんの発言として、(トールバットの「改訂版への注」からとして)以下のように書いてある:

「最近の研究で、ヴィヴァルディがアンナ・ジローを伴ってウィーンを訪れようとした一番の動機は、コッラルト伯爵がパトロンの首位にいるケルントナー・トア劇場に、自身が監督を務めて自作のオペラを一本ないしそれ以上かけることにあったらしいということが分かってきた。ヴィヴァルディが滞在したケルントナー通りの宿泊先は、劇場が巨匠(マエストロ)たちのために普段用意してあったものだった。1740年10月20日の皇帝カール6世の予期せぬ死去により、次のカーニヴァルまで服喪期間となり、ウィーン中の劇場が閉鎖となった。この事件がヴィヴァルディの計画を狂わせたことは想像に難くない。そして、収入減がヴィヴァルディの死を早めたとも言える。1742年のカーニヴァル期間中に、ケルントナー・トア劇場はヴィヴァルディのオペラ、『メッセニアの神託』を舞台にかけたが、それは本来なら前の年のスケジュールに組まれているはずのものだった。」


協奏曲第1番 ホ長調、RV.269「春」(La Primavera)

 アレグロ

春がやってきた、小鳥は喜び囀りながら戻って来て祝っている、水の流れと風に吹かれて雷が響く。小川のざわめき、風が優しく撫でる。春を告げる雷が轟音を立て黒い雲が空を覆う、そして嵐は去り小鳥は素晴らしい声で歌う。鳥の声をソロヴァイオリンが高らかにそして華やかにうたいあげる。

 ラルゴ
牧草地に花は咲き乱れ、空に伸びた枝の茂った葉はガサガサ音を立てる。ヤギ飼は眠り、忠実な猟犬は(私の)そばにいる。弦楽器の静かな旋律にソロヴァオリンがのどかなメロディを奏でる。ヴィオラの低いCis音が吠える犬を表現している。

 アレグロ(田園曲のダンス)
陽気な田舎のバグパイプがニンフと羊飼いを明るい春の空で踊る。

協奏曲第2番 ト短調、RV.315「夏」(L'Estate)

 アレグロ・ノン・モルト-アレグロ

かんかんと照りつける太陽の絶え間ない暑さで人とヤギの群れはぐったりしている。松の木は枯れた。カッコウの声が聞こえる。そしてキジバトとスズメの囀りが聞える。柔らかい風が空でかき回される。しかし、荒れた北風がそれらを突然脇へ追い払う。乱暴な嵐とつんのめるかも知れない怖さで慄く。原譜には「暑さで疲れたように弾く」と指示がある。ヴァイオリンの一瞬一瞬の”間”に続いての絶え間ない音の連続が荒れる嵐を表現している。

 アレグロ・プレスト・アダージョ
彼の手足は稲妻と雷鳴の轟きで目を覚まし、ブヨやハエが周りにすさまじくブンブン音を立てる。それは甲高い音でソロヴァイオリンによって奏でられる。

 プレスト(夏の嵐)
嗚呼!彼の一番ひどい恐怖は正しかった!上空の雷鳴と巨大な雹(ひょう)が誇らしげに伸びている穀物を打ち倒した。

協奏曲第3番 ヘ長調、RV.293「秋」(L'Autunno)

 アレグロ(小作農のダンスと歌)

小作農たちが収穫が無事に終わり大騒ぎ。ブドウ酒が惜しげなく注がれる。彼らは、ほっとして眠りに落ちる。

 アダージョ・モルト(よっぱらいの居眠り)
大騒ぎは次第に弱まり、冷たいそよ風が心地良い空気を運んで来てすべての者を無意識のうちに眠りに誘う。チェンバロのアルペジオに支えられてソロヴァイオリンは眠くなるような長音を弾く。

 アレグロ(狩り)
夜明けに、狩猟者が狩猟の準備の為にホルンを携え、犬を伴って叫んで現れる。獲物は彼らが追跡している間逃げる。やがて傷つき獲物は犬と奮闘して息絶える。

協奏曲第4番 ヘ短調、RV.297「冬」(L'Inverno)

 アレグロ・ノン・モルト

身震いして真ん中で凍えている。噛み付くような雪。足の冷たさを振り解くくために歩き回る。辛さから歯が鳴る。ソロヴァイオリンの重音で歯のガチガチを表現している。

 ラルゴ
外は大雨が降っている、中で囲炉裏で満足そうに休息。ゆっくりしたテンポで平和な時間が流れる。

 アレグロ
私たちは、ゆっくりとそして用心深くつまづいて倒れないようにして氷の上を歩く。ソロヴァイオリンは弓を長く使ってここの旋律を弾きゆっくりとそして静かな旋律に続く。しかし突然、滑って氷に叩きつけられた。氷が裂けて割れない様、そこから逃げた。私たちは、粗末な家なのでかんぬきでドアを閉めていても北風で寒く感じる。そんな冬であるがそれもまた、楽しい。


 これも「赤毛の司祭」からの情報だが、「ヴィヴァルディの作品8「和声と創意への試み」の第1~4番は一般に「四季」として知られています。この4曲には、それぞれ14行からなるソネット(Sonetto)が付けられていて、曲はこのソネットを忠実に音楽で描写する方法で書かれています。」とか。
 それら「「四季」のソネット」については、さらに、「このソネットは作者不詳で、一説にはヴィヴァルディ自身が書いたものか?とも言われています」といが、リンク先を覗くと、そのソネットを読めるのでどうぞ、行ってらっしゃい!

 さて、である。ここからが本題なのだが、我が日本は世界的な気象異常が生じつつあると言われ、日本もその例外ではないとも言われつつも、依然として四季のある風光明媚なお国柄であることは誰しも依存のないところだろう。
 で、ヴィバルディの「四季」の顰(ひそ)みに倣うわけではないが、仮に敢えて日本の風景・情景を当てはめたなら、一体、どんな構成内容になるだろうか。ちょっと試してみたくなるじゃありませんか。
 でも、今日はもう疲れた。日を改めてトライしてみたい。

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コメント

こんばんは~

最後の部分を読んで、あるある!そういうの、と思ってコメントしました(笑)。

「日本の四季」、中田喜直さんの作曲なんです!
春がきて,桜が咲いて~五月晴れと富士山~長い雨の日と,やがて夏に~さわやかな夏とむし暑い夏と~初秋から秋へ~冬がきて雪が降りはじめ,氷の世界に,やがて春の日差しが
の6曲から成る組曲です。

一曲づつの題を読むと、感じがわかるかな?
こちらのページで、
http://www.piano.or.jp/compe/2004/kadai/duokadai.html
冒頭の「桜」を表す日本的な部分が少しだけ聴けます。
とても好きな曲で、何回か人前でも弾いた事があるんです。連弾曲ですけど。

「夏の思い出」や「雪の降る町」、他にも一杯中田喜直さんの名曲のメロディーがパズルの様に折り込まれた、とても優れた組曲なんです!
録音、アップしようかな・・・笑

投稿: hironon | 2006/01/28 00:50

また変な時間になってしまった!-笑

投稿: hironon | 2006/01/28 00:53

hironon さん、情報、コメント、ありがとう。「四季」チャイコフスキーのものもあるのはネット検索で知ったけど、肝心の日本のほうは調べていない。

今、「中田喜直◎春が来て、桜が咲いて」を教えられたサイトで聴いてきました。なるほど、これはトータルで聴いてみたいですね。

「日本の四季四手連弾のための組曲
中田喜直 /音楽之友社 1979/12出版 49p 」

ネットで調べると、結構、課題曲やコンサートでの演目として選ばれているようですね。
中田喜直さんの曲は、もう、日本人の共通のメロディになっていますね。
となると尚更、聴いてみたくなります。

曲…、 hirononさんが頼りになっちゃう?!

アップの時間は小生のようなものには、なんとも思わないのですが、世間的には寝てなくちゃいけない時間なのかな。

投稿: やいっち | 2006/01/28 11:15

はじめまして投稿させていただきます。上原よう子です!
実は私、中学生の頃から作曲家ヴィヴァルディにメチャクチャ興味がありますよsign03合奏協奏曲『四季』メチャクチャ有名ですよ☆(*^▽^*)☆特に『春』の第1楽章がメチャクチャ大好きですよ(o^∀^o)あの人の事を女性だと思ってましたが、いまではロックスターみたいにメチャクチャかっこいいなぁって感じております♪notesヴィヴァルディ先生のイラスト姿のかっこよさにメチャクチャキュンってしちゃいます☆(*^▽^*)☆♪♪♪♪

投稿: 上原よう子 | 2013/12/20 18:43

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