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2006/01/26

今日という日…二題

 5年前の今日26日、東京都新宿区の新大久保駅でホームから転落した人を救おうとしてホーム下に下りた韓国人留学生李秀賢さん=当時(26)=と日本人カメラマン関根史郎さん=同(47)の二人が死亡した。
 このニュース聴いた時、小生は仕事中でラジオで情報に接した。当然ながらテレビでの騒然としているだろう駅の模様などは当日は見ることが出来なかったが(この頃には既にテレビは壊れていたかも)、ラジオで伝えられる断片的な情報を聴きながら、あまりに痛ましい事件にどう考えたらいいか分からなかった。

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→ 25日の夜半過ぎ、東京・大田区での火災現場に遭遇。炎の勢いの凄さを改めて実感。(記事末尾の追記を参照のこと)

 とにかく韓国人留学の方の勇気を称えるしかないと、まずは思った。一部、無謀な勇気に過ぎない、救助に赴くならまずは我が身の安全の保障を確保してから、といった批判を後日投げかける向きがあったが、今、目の前に男性が転落しそこへ間もなく列車がやってくるという状況で、そんな悠長なことは言っておられないだろう。
 小生だったら、どうか。恐らく、そういったまことしやかな批判をして、その実、何もしない類の連中と同じで、手を拱いているに過ぎなかったのではなかろうか。
 あの状況じゃ、自分の身だって危ない、どうしようもなかったんだと知れたような言い訳をして助けなかったこと、ただ悲惨な状況を呆然と見ているだけだった自分の行為を理屈で正当化しようと試みるだけだった、のだろう(か)。

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← 同上。火災現場は既に消防車やパトカーなどが一杯だったためか、あとから来た消防車が一方通行路を逆走してきて、そこから現場へ続く一方通行の道に入ろうとするが、狭くて一時立ち往生。その動きを見守っていて、小生の車は身動きが取れなくなった。しばし撮影。

 最初に転落した男性は酔っていて、しかも駅の売店で酒を求め、ふらふらと転落したという。男性はそんな状態だったとあとで分かったのか(つまり、転落した男性の様子を目撃した人が他にもいたということだろうか)、その時点で韓国人留学生の方も脇から見ていて危ないなと思ったのか、その詳しい状況は分からない(小生は知らない)。

 ホームの下には転落した人が緊急避難できる場所があるとか、対処法はありえるのかもしれないが、練習するわけにもいかない。ホームに立った時、ふと、ホームの下を眺めてみたりするが、いざとなったら自分一人なら逃げ込める可能性があるとしても、転落した人を助けて避難するとなると厳しいような気がする。
 いざとなった時、どのような行動が採り得るのだろうか。

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→ Charlie K. さんの手になるリベルダージ新年会(G.R.E.S. LIBERDADE "FELIZ ANO NOVO 2006" )画像の一つ!(例によって本文と画像とは関係ありません。一連の新年会の画像を観て頂いているものです。)

「東京都新宿区のJR新大久保駅で2001年1月、ホームから転落した人を救おうとして死亡した韓国人留学生、李秀賢さん=当時(26)=を主人公にした映画が制作される」という情報がネットにも見つけられるし、昨夜、ラジオでも関連の話を聞くことができた。

「映画は日本の「アマナスキネマ東京」と韓国の映画会社の合作で題名は「あなたを忘れない」。国交正常化40周年を記念した交流事業「日韓友情年2005」の記念事業の一つとして認定された」もので、「プロデューサーの野辺忠彦さんは「李さんの生い立ちだけでなく、日韓の若者を取材してその心を浮き彫りにしたい」と意気込んでおり、来春の日韓同時公開を目指し、今秋から撮影に入る予定」という。
 この情報は昨年のもの(ZAKZAK 2005/01/27)なので、映画は順調なら今春にも日韓同時公開のはずだが、残念ながら小生には最新の情報(公開予定など)を見つけることが出来なかった。
 映画を通じて、ホームでの状況が分かるだろう。

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→ 日比谷公園脇にて休憩・仮眠。ほぼ同じ頃、反対側の東京地検には有名人の取調べ…?

 今日になって、テレビは「東京都東大和市の自宅で、女性10人と同居している男から脅されたとして、別の女性が被害を訴えていた事件で、警視庁捜査1課と東大和署は26日未明、脅迫容疑で同市芋窪、無職渋谷博仁容疑者(57)を逮捕した」という一夫多妻男事件や、ライブドア関連の話題が席捲していて、韓国人留学生の話題は全く流れてこない(あるいは、小生が見逃しているだけ?)。

 ホーム転落事故については、国土交通省から「鉄道駅のホームからの転落事故に対する安全対策の整備計画等について」という計画概要が発せられている。
1日も早く全駅にホームドアー設置を」という要望が「福祉ウォッチングの会」などから出ている。つまり、「視覚障害者の方は日々恐怖を感じながら、利用を余儀なくされている。鉄道の駅の多くは、柱や障害物のためつまずいたり、駅員が少ないため転落した人がいても、列車をすぐに止めることができない。現状ではだれもが、死亡することと背中合わせに電車を利用しているが、あってはならないことである。 今回の事故が、利用者の過失としてすまされず、鉄道の駅にはホームドアーがあることが当たり前になり、だれもが安心して電車を利用できる契機になることを願ってやまない」というのだが、ホームドアーの設置の実現は依然として厳しいようである。

 男性がそもそも酒に酔っているのに、さらにホームの売店で酒を求めたという。このことについては、「駅構内における酒類販売自粛等の検討状況」という項目が計画の中に謳われている。高速道路のサービスエリアでの種類販売が問題になっていたが、駅の現状はどうなのか、マスコミ関係の人は今日の日にこういった関連をレポートしてもらいたいものだ。

 小泉首相の靖国参拝で中国や韓国などとの関係が冷却化し、アジアのみならず多くの国での日本の信義が貶めらている中、経済界に限らず民間の間での地道な交流が絆を深めている。
 一部の奇矯なリーダーの言動だけが日本の実情だと思われては日本人として恥である。
 小泉首相の靖国神社参拝を非難しているのは中国や韓国だけだと首相は豪語するが、日本の植民地支配で悲惨な目に遭ったのは両国だけではなく、東南アジアをはじめとする広い地域に及ぶ。中国や韓国は内情もあるのだろうが、敢えて靖国参拝問題を持ち出す傷つけられた誇りの回復への意思があるのだろうし、意思を示す国力もあるのだろう。
 東南アジアなどの政府筋は、日本との関係重視から口にしないだけで、民衆の中に渦巻くものは表に出てこないのではないか。

 今日26日は「文化財防火デー」の日だという。京都市東山区の清水寺や奈良県斑鳩町の法隆寺で消防訓練、防火訓練があったとか。

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← 25日の夜半過ぎ、何処かの学校脇。塀に刳り抜いた丸い穴から何かの樹木の小枝がニョキッと。傍にある怪しい影は小生だ!

 今日26日、宗祖・最澄が天台宗を開いて1200年を迎えた。
開宗1200年祝い法要 天台宗総本山の延暦寺」という記事を覗く。
「雪が舞う中、午前11時すぎ、導師を務める緋色(ひいろ)の法衣を着た渡辺恵進座主ら約60人の僧侶が国宝の根本中堂に入堂。花びらをかたどった5色の紙片を散らして仏を供養する散華に続き、法華経の一部を唱え、開宗1200年を祝った」とか。その画像も今なら見ることが出来る。
「比叡山で修行していた最澄は唐への留学後の806年1月26日、勅許を得て天台宗を開いた。延暦寺は法然、親鸞や日蓮、栄西、道元ら鎌倉仏教の創始者が学んだほか、平家物語など文学にも影響を与えたとされる。」というが、怠慢な小生は、最澄というと、「日本の名著」第3巻の『最澄・空海』(福永光司・責任編集、中央公論社、今は中公バックスに所載)の中で学生時代に触れたきりである。
 しかも、若いときは屹立した天才に魅せられるもので、空海の本を読みたくて入手したような記憶がある。
 そうはいっても、比叡山延暦寺は「天台密教の拠点として、平安時代以後、法然、親鸞、栄西、道元、日蓮など多くの高僧たちを輩出し、今もなお修行道場として厳粛な雰囲気に満ちている」というし、高校時代、親鸞に傾倒した(といっても、最初は倉田百三作の『出家とその弟子』 (岩波文庫)の中の親鸞、ついでは『歎異抄』の親鸞に接し、触れた気分になっていただけだった。『教行信証』を曲がりなりにも読んだのは学生になってから)、その師である法然への関心と併せ、いつかは比叡山に登りたいものと思ってきた。

 その願いが叶ったのは、94年の7月だった。当時、形成の手術のため京都の病院に入院していて、明日にも退院ということで、退院を祝う意味もあって、タクシーに乗って比叡山を上った。
(翌年の95年2月の時は、退院時に銀閣寺や北野天満宮などへ赴いた。退院し会社に復帰した当日に首を申し渡された。誕生日の翌日の格別なプレゼントだった。)
 延暦寺の境内をあちこち歩き回ったはずだが、だからといって思慮深くなるとか、信仰心が深まるというわけでもなかったけれど、物書きに徹するという気持ちだけは自分なりに再確認していたものだった。

 今頃になって認識を新たにしたのだが、「比叡山には延暦寺という名の建物はなく、比叡山そのものが延暦寺を表わしている」という。


 仏教関連の拙稿としては、以下がある:
出発は遂に訪れず…廃仏毀釈
廃仏毀釈補遺


[この記事を書いて間もなく、以下のサイト様よりトラックバックを戴いた;
栃木県のかたすみから
今日は文化財防火デー。世界遺産である日光の社寺では東照宮、輪王寺、二荒山神社が持ち回りで毎年実施しています。そもそもこの文化財防火デーは1949年1月26日に法隆寺で金堂から出火したことに起因します。この火災で国宝である十二面壁の大部分が焼損しました。
ヨーロッパの文化財と異なり、大部分が木造建築物である日本において、火災は命取り。このような日頃からの練習が大切であることを再確認させられました。
」という。(記事上梓当日夕方追記)]

[「住宅など7棟焼け2人がけが 東京・大田区 (朝日新聞) - goo ニュース」(2006年01月26日(木)10時43分)によると、「26日午前0時45分ごろ、東京都大田区中央1丁目の木造2階建て住宅から火が出たと、近くの住民が119番通報した。火は隣接する住宅や店舗などに燃え移り、計7棟約600平方メートルが焼けた。大森署によると、この火事で、出火元とみられる住宅に住んでいた50歳代の女性と孫の男児(7)が煙を吸って手当てを受けている。」とか。

 ちなみに、「火災死者、例年の1・5倍 1月、厳冬の影響か (共同通信) - goo ニュース」(2006年 1月25日 (水) 18:35)によると、「今年に入ってからの住宅火災による死者数は18日現在で157人に上り、過去3年の同時期の平均に比べ1・5倍に急増していることが25日、総務省消防庁の調査で分かった。」 
 また「消防庁は「例年より寒く、大気も乾燥しているため火災が起きやすいのではないか」と分析。火災警報器の設置などの対策を徹底するよう全国の自治体に通知した。」とか。(記事上梓当日夜追記)]

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コメント

「週刊金曜日」によると靖国参拝は中国韓国だけでなく、ベトナムやフィリピン政府も懸念の表明を出したとか。
けど一人の人間として人間を見れば、弥一さんが言及されている韓国人青年のような自分の命を犠牲にしてまで人を助けようという人もいる。
一つの「民族」としては日本に反発しても一人の「人間」としては日本人も外国人もないという現実を思います。
線路転落を防ぐには地下鉄の一部や多摩モノレールで行われている電車が来るとゲートみたいのが開く方式を採用するしかないかと。
第二東名高速だの、首都圏中央連絡自動車道だの無駄な金を使う暇があったら電車に使ってほしい。
弥一さんは職業柄、第二東名高速だのは必要とお考えですか?

投稿: oki | 2006/01/26 23:22

oki さん、小泉首相の靖国神社参拝を懸念しているのは中国や韓国だけじゃないですね。懸念だけじゃなく首脳外交を敬遠するのは中韓の両国だけかもしれないけど。
民衆の多く、勿論、日本国内にも小泉首相の参拝に顰蹙を買っていることを銘記すべきでしょう。
自民党は小泉首相の任期を待ってから首相(総裁)の交代を考えているようだけど、そんな悠長なことでいいのだろうか。国益を小泉首相のせいでどれほど毀損しているし、これからも国際的な信望を失っていくことか。
首相(総裁)に名乗りを上げようという人は奮起すべきでしょう。日本のためにもアジアのためにも(多分、アメリカのためにも)。

一般市井の者は、トップの存在に関わり無く地道な交流の努力を重ねるしかないのでしょうね。とてもじゃないけどあの韓国人青年のようにはいかないけど。

第二東名高速は笑止です。渋滞に全く関係ない郊外で作っている。まず大切なのは慢性的な渋滞で苦しむ首都圏にこそ。
第二東名より首都高速の民営化と充実した路線作りを真っ先に願いたい。
無論、開かずの踏み切り対策は喫緊の課題。日本橋の上を走る高速道路を地下に、なんて後回しでいいのです。


投稿: やいっち | 2006/01/27 00:53

TB及びリンクの作成、ありがとうございます。
しばらく天気がよいと思われ、乾燥する毎日が続くでしょう。火災に気をつけようと改めて感じました。

投稿: 宮っこ | 2006/01/27 08:13

宮っこさん、最初に気づいてくれてトラックバックしてくれたのは宮っこさんでしたね。
関連のある記事内容の相手からTBされるのは嬉しいものですね。旧友とか、それまでは面識の無かったしかし同好の士と出会ったような気がします。
火災、そしてその被害は今年、多いとか。お互い、気をつけましょうね。

投稿: やいっち | 2006/01/27 09:30

東名高速といえばETC車の深夜割引制度のおかげで、料金所を通過するのが午前零時の前か後かで料金がかなり違ってくるので、海老名サービスエリアと東京料金所の間には百台を越えるトラックが夜ごとれつをなすという珍事がおこっているようですね。
海老名サービスエリアは午後十時で満杯、日にちが変わるのをただ待つーどうにかならないのでしょうかね。

投稿: oki | 2006/01/27 23:06

okiさんは車の運転をされるのかな。移動は電車やバス、タクシーを使っているのかな。
東名の情報、よくご存知ですね。

ETC車の深夜割引制度のおかげで入り口の場所によって時間待ちの列ができているらしいけど、昨年までは深夜や未明、高速を使わないで環七や環八などの幹線道路をトラックなどが列を成して走っていましたね。

今は時間待ちだけど、景気がよくなったら、そうした状態も緩和されるのでしょう。
もっと言うと、高速道路と一般道の両方の道路状況を瞬時に即座に計算して、その状況に応じて割引の始まる時間も変更するというような柔軟さがあってしかるべきだと思います。

あと、貨物列車の運用をトラック運送と組み合わせ合理的・効率的にして、長距離のトラック輸送を減らすのも省エネ効果もあるし、高速道路とJRとトラック業界(と国土交通省)が総合的に対策を考えたほうがいいと思います。

投稿: やいっち | 2006/01/28 10:42

関根 史郎という方は僕が日本でカメラマン活動してたときに会った事がある人でした。人の良いおじさんという印象が残っています・・。

今まで海外でキャンプしながら写真を撮る生活だったので、最近、日本に帰国し、友人に関根氏の死を聞いて彼の作品を見たいと思い、名前を検索して辿り着きました。

正直、日韓友好はもちろん素晴らしいとは思いますが、映画の公式サイトでは関根氏の名前が脇役欄にありショックでした・・・。

映画の内容も韓国人男性と日本人女性のロマンスに変わり、恋人を助けるために死んだ事になったようです。

「心の国境を作りたくない」とは私が海外に出るカメラマンになったきっかけの思想ですが、
本当に対等な友好を望んでいるのなら、関根氏の扱い方が同じくして無くなられた韓国の方と同等であって欲しいと思います。。
2人にご冥福をお祈りします

投稿: 海外放浪カメラマン | 2006/10/26 21:09

海外放浪カメラマンさん、コメント、ありがとう。
あの痛ましい事件で亡くなられた関根 史郎氏と会ったことのある方にコメントをもらえるというのは、まさにネットならではのことだと、ちょっと感激する。
海外での生活が長かったのですね。どのような生活だったのか、お話を伺いたいもの。同じ思いを持つ人も多いのでは。

「心の国境を作りたくない」という基本思想には眩しく思うばかり。時代は、冷戦構造が崩壊してからは、経済はグローバリゼーションで国境があっさりと越えられていくというのに、多くの国でのナショナリズムの勃興に見られるように、人々は逆にアイデンティティや寄り縋るべき共通観念(心の共同体)を求めてか、心の国境のバリアーを高く強くしているように感じられる。
皮肉ですね。守りの態勢なのでしょうが、これからの時代の危うさを感じます。
この辺り、海外放浪カメラマンさんはどのように感じられているのか、切に期待してしまう。

そう、日本においても、李秀賢氏も関根史郎氏も共に同等に扱われるようであってほしいですね。
お二方に、合掌。

投稿: やいっち | 2006/10/27 07:24

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