夜長…深き淵見る
さすがに今の時期、残暑という言葉は誰も使わない。先週などは使っていた向きもあったような気がするが、喉もと過ぎればなのか、そんな酷暑の夏があったことも、遠い夢のようだ。
仕事柄、外を走り回っているので、時間の経過と共に渋滞する道路状況はもとより、空の様子、明るさ、暗くなっていく変化の様子をじっくり体験することが出来る。
←夜明け。9月上旬、都内某所にて。
午後の4時とは言わないが、5時を回ると、対抗する車のヘッドライトが眩しくなってくる。ウインカーも、先週などは日中の明るさに押され気味だったのが、まさに光がウインクしている。点滅している。明滅する光が宵闇に際立つのを目に鮮やかに感じてしまう。
秋の到来を、それとも夏の過ぎ去ってしまったことを実感するのは、小生などの場合、多くはこんな時なのである。
外にあっては街灯やネオン、室内にあっては蛍光灯、あるいはビルやマンションの窓から漏れ出す白々しいような光り。あるいは、休憩している最中に都心のビル街で宵闇に浮かぶ高層ビルの窓明かりを見ると、ああ、みんな未だ働いているんだな、頼もしいな、励まされるな、などと殊勝なことを思ったりもする。
非番の日、夕方など買い物に出かけ、住宅街を歩いていると、窓明かりは目に、心に眩しすぎる。終日、一人で過ごす日々。一言も言葉を誰とも交わさない日が続く。そんな身には、あの二階の明るい部屋には生活があるんだろうなと、訳もなく、意味もなく胸がつぶれるようでもあったり。
| 固定リンク
| コメント (4)
| トラックバック (2)
最近のコメント