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2005/03/19

春の月・春の星

 どうも、せっかちなもので、春四月に相応しいような季語を表題に選んでしまった。曇りや雨でないかぎりは、春の月や春の星を愛でつつ、散歩などできたりする。夜は、時にまだ冷たい風が吹くこともあるが、それでも、一頃に比べたら随分とましである。
 最初に季語随筆らしく、語彙の説明をしておくと、「春の季語(自然編-50音順)」によると、「春の月」とは、「朧なるを賞で、さやけきを賞でつのは秋の月」とあり、「春の星」については、「春の星はおぼろに柔らかい」とコメントされている。
「春の月」は、「春月」、「春の星」には、「春星 春北斗 春銀河 星朧」といった類義語があるようだ。
 探すと、「朧月(おぼろづき)」という春の季語もあって、「月光がぼんやりと滲んだ春の月」と説明されている。類義語は、「月朧 朧月夜」だとか。
 やはり、四月に入ったら、春の月や星をめぐっては改めて何かのテーマを設定して採り上げる必要がありそうだ。
 

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2005/03/18

鳥帰る・竹島のこと…

 いつもながら、季語随筆と銘打っているが、選んだ季語の周辺を巡るだけで、一向に随筆の想の膨らまないことに忸怩たる思いがする。
 というのも、たとえば三月の季語例にも相当数の季語が並んでいるのだけど、自分の生活に身近な言葉、ということになると、相応しいような、ピント来るような言葉などはなかなか見つからないのである。
 悲しいかな、そもそも自分が生活感のない、茫洋とした日々を漫然と過ごしているからなのだろうし、一人暮らしなので、自分が怠惰を決め込んだら、誰も異を唱える者がいるはずもなく、二十四節気など我関せずの生活に成るしかないのだ。
 などと言い訳しつつ、今日の表題は、では何故に「鳥帰る」を選んだかというと、小生はタクシードライバーとして都内を走り回っているのだが、日中、わりと海辺を走ることが多い。埋め立て地で、運河があり、橋も日に数回どころか数十回は渡っている。
 すると、自然、橋の上で信号待ちと相成ることが多いのである。そんな時、ふと脇に目をやると、運河の水がゆったりと流れている。水は春の日差しを千々に乱している。その上をユリカモメなのかどうか分からないが、鳥達がスイスイ泳いでいる。
 それとも、ただ浮かんでいるだけなのか。
 いや、きっと、彼らだって忙しいはずだ、小生と同様、お飯(まんま)を獲ようと結構、真剣なはず、鵜の目鷹の目で水中か水面の餌を漁っているはずなのだ、決して、のんびりなどしていない、だから、彼らが呑気そうでいいなーなんて、羨むことなど無用のことなのだ、などと取り留めのない想いに浸ってしまう。
 神経を摩り減らして町中を走る小生にとっての、束の間の和みの時。
「鳥帰る」は、「渡り鳥が、春、北方へ帰ること」であり、関連する語に「帰る鳥 鳥引く 引鳥 白鳥帰る」があるとか。
 ユリカモメやウミドリなどの生態は知らないが(そのうち、ゆっくり調べてみよう)、渡り鳥など、季節が来たら日本のどこかに飛来し、時期が来たら去っていく。行く先は、必ずしも日本列島の外とは限らず、列島の各地を点々としている鳥もいるのだろう…。

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2005/03/17

蓮華草・紫雲英

 夜半近くになって、居眠りしてしまった。ふと、目覚めて時計を見たら、既に2時を回っている。さて、何か季語随筆のネタはないものかと思いめぐらし始めたら、なんだか、淡く紫色に染まる世界が見えてきたような。
 転寝している間、何か夢でも見ていたのだろうか。それとも、夕べ、買い物に行った際、空に霞を透かして三日月よりはやや半月に近い月を見た、その藍色の夜空が印象に残っていたのだったろうか。小生の頭は、なぜか蓮華草の野を思い浮かべてしまったのである。
 蓮華草は、春の季語のうちの一つだが、今の時期のものではないのだろう。四月? 
 そういえば、小生、昨年だったか、蓮華草を巡ってエッセイを綴ったことがあったはず…と、探してみた。あった。タイトルも、単純素朴に「蓮華草のこと」だって。分かりやすい。五月の連休の真っ最中に書いている。
 その雑文を書き下ろす前に、「目に青葉…」という、まさに五月という時期に相応しいエッセイを綴っていて、その連想のようにして書いてしまったようだ。
 その頃はまだ、小生は自分が俳句や川柳の世界に実作を試みるものとして参入していこうとは、夢にも思っていなかった。なんだか、不思議なような気がする。
 以下、転記する:

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2005/03/16

早蕨(さわらび)

北信州の道草図鑑」の中の、「ワラビ(蕨)」の頁を覗かせてもらう。
 「2003年4月29日 野菜畑で」ということで、蕨の写真が載っている。「春の代表的な山菜です。根茎から採ったワラビ粉は、食用のほかに、雨傘や合羽を貼り付けるノリに利用されていました」という。
「「鶯を招くやうなるわらび哉」(一茶)と句も付せられている。
「わらび【蕨】:イノモトソウ科のシダ。山地の日当りのよい乾燥地に群生。早春、地中の根茎からこぶし状に巻いた新葉を出し、これを「さわらび(早蕨)」という」のである。
 無論、春の季語で、「蕨野」「初蕨(はつわらび)」、「蕨手(わらびで)」、「干蕨(ほしわらび)」「蕨狩(わらびがり)」
「蕨餅(わらびもち)という類語・関連語があるようだ。
「蕨」単独でも、春三月の季語である。

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2005/03/15

チンドン屋

s-DSC01405 手元に季語辞典がないので、断言はできないが、恐らくは「チンドン屋」というのは、季語例にないものと思う(誰か、知っている人、資料を持っている方、教えて)。
 が、小生の中では、チンドン屋さん(のグループ)が、看板などを背負ったりして、繁華街を宣伝して回る光景というのは、季語ではないにしても、立派な春を告げる光景なのである。
 知る人ぞ知るだろうが、毎年、「富山市の城址公園で、5月の「桜まつり」の一環として行われるチンドンコンクール」だが、今年はなんと、「50周年ということで、盛りだくさんな企画が用意され」ているとか(「日本最大規模のチンドン屋写真館「チンドンの現場」CHINGDONG Photo archives」の「チンドン屋写真館「チンドンの現場」国内編」より)。

[ 添付した写真は、この記事を書いた翌日に、某駅で見かけたもの。噂をすれば影、ですね。「無精庵投句の細道」にも、違う角度から撮った画像を載せてあります。 (05/03/16 追記) ]

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2005/03/14

利休忌・西行忌

「利休忌」も「西行忌」も、共に春の季語である。
「西行忌」は「旧暦2月16日、西行法師のご命日」であり、「利休忌」は「旧暦2月28日茶人利休のご命日」なのだとか。
 さすがに西行の死は、「ねがわくば花の下にて春しなんその如月の望月のころ」の歌で今頃の死なのだと、野暮な小生にも強く銘記されている。
 知る人は知るだが、「西行の享年は73才であるが、この歌は60才代中ごろの作といわれているから死に臨んで詠まれたものではない。然し如月(2月)、望月(15日)と所望した通り2月16日になくなった」のであり、しかも、「2月15日は釈迦の入滅の日であり」、「平安時代から涅槃会として釈迦の遺徳を偲ぶ習慣があった。これらの関連は単なる偶然の一致とはいえないものを感じる」のは、当時の人々なら、今の我々より遥かにそうだったのかもしれない(引用は、「渡部陽のホームページ」の中の「桜と西行」より)。
 西行の歌集山家集』をはじめ、高橋英夫『西行』(岩波新書)、白洲正子著『西行』(新潮文庫刊)、吉本隆明著『西行論』(講談社文芸文庫)、辻邦生著『西行花伝』(新潮社、文庫あり)などと、僅かながらにも西行の世界に親しもうとしてきた。
 小生には、西行は、柿本人麻呂、芭蕉に次ぐ存在なのである。

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2005/03/13

山笑ふ・花粉症・塵

「花粉症」が春の季語として定着しているのかどうか、分からない。仮に正式に季語扱いされていないとしても、季語例に含まれるのは時間の問題だろう。
(正式に、と、書いていて、一体、誰が決めるのだろうと疑問に思った。実は、日本俳句協会でもあって、何人かの委員が居て、侃侃諤諤の議論の末に多数決で、「はい、花粉症殿、貴殿は近年の目覚しい活躍ぶりに鑑み、目出度くも我が国の伝統ある俳句の世界の仲間入りを果たしたことを祝し、且つ、呪い、ここに季語例の一員に選ばれたことを確認するものである…」なんて殿堂入りの儀式があったりするのだろうか。)
 既に季語扱いしているサイトもある。「『増殖する俳句歳時記』季語検索」や「春の季語(行事・暮らし編-種類順)」などなど。
 いずれにしても、俳句に吟じられる機会と句の事例が増えれば、季語例の仲間入りを果たすのだろう。

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