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2005/12/24

三宅島はるか

 過日、ラジオで三宅島の話題を聞くことが出来た。
 が、例によって仕事中ということもあり、三宅島の観光について、万全の体制をとっていて、「三宅島島内では、ガスマスクの常時携帯 が義務付けられてい」る云々という話などがあったように覚えているだけである。
東京都公式ホームページへようこそ!」の中の「観光産業の概要 三宅島の観光産業 御蔵島の観光産業」なる頁を覗くと、三宅島の観光産業のおおよそを知ることが出来る。
「平成12年6月から始まった火山活動と7,8月の噴火、そして9月の全島民島外避難指示を受け、その後4年半は関係者以外は上陸できない島となっていました。しかし平成17年2月に避難指示解除となり、同年5月からは観光客の受入れを再開しています」という実情は、テレビ・ラジオその他で折々、見聞きしている。
 苦しい中でも頑張っていることを思うばかりである。

 たまたま、我がブログサイトでも、三宅島の名が(ついでの形ではあるが)出てきた
 そんなこんなを思うと、これは何かしら書き連ねて、三宅島への関心を改めて抱いてもらう一助になれたらと思う。 
 そうはいっても、小生、島という島へ行ったことは、夢の島くらいのものである。
 なので、ネット情報などを参考に、三宅島の周辺をネット上でということになるが、少々散策してみたい。

黒曜石から古今東西を想う」の中などで森浩一/網野善彦著の『日本史への挑戦―「関東学」の創造をめざして 』(大巧社)を紹介している。
 中身がびっしり詰まっていて、興味を引いた点だけに絞っても、この本について一度や二度の特集では扱いきれない。
 ただ、そんな中、三宅島は、「屯倉」と関係があるという記述を見つけ、改めて三宅島への関心が湧きたてられていた。
屯倉は「ミヤケ」と読まれ,もともとは「御宅」の意で朝廷の建造物をさすものであるが,それを含む耕作地を広く称する名称であった」ということで、「吉備の児島屯倉も瀬戸内海のほぼ中央に位置する港をもつ屯倉として重視されている。この理由として,屯倉の収納物を京に運ぶ交通上の条件が挙げられるが,やはりその地方の豪族の勢力をけん制する目的も大きかったことは否めない」という。
 屯倉の地とされた三宅島は少なくとも古代より海の要衝だったことを歴然と示しているわけである。

全国の三宅地名分布」なる頁を覗くと、「三宅の地名は、屯倉、宮家より由来すると思われる、従って、その地名も近畿、北部九州に多く分布している」ということで、三宅島もそうした一つだと、俯瞰することができて感懐深い。

「出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 伊豆諸島」を覗いてみると、あくまで伊豆諸島の歴史だが、「北部に関しては縄文時代から人々が暮らしていた痕跡があり、各島からは縄文遺跡が発見されている。さらに三宅島では弥生遺跡が発見されており、この時代には定住が始まっていたことが窺われる。公家や武家、僧侶などが流されることが多かったため、都(みやこ)の文化や風俗が持ち込まれることも多かった。」などと書いてある。

 このブログでも以前、英一蝶を扱ったことがあったが、彼の流された島が三宅島なのだった。
 この話題については、「美の巨人たち 英一蝶・『布晒舞図』」なる頁は画像も多く、説明も読んでいて興味深い。
 英一蝶についての拙稿「鳥総松(とぶさまつ)」も覗いてもらえたらと思う(拙稿の中で、英一蝶のことはもとより、「島流し」が季語・季題にあるなどと書いている)。

 都指定の遺跡も多い三宅島。ネットだけでも探求したら奥が深いと感じさせられた。
 遺跡だけではなく、「三宅島に式内社が13座も鎮座している神々の島という事実」などが書かれている「御蔵島という島名の中のクラという語の意味」なる頁も参考になりそうだ。
 時間がないので、今回も尻切れトンボの稿に終わったが、関心を抱かれた方がいたならば、一層充実した探求と記述をされたらと切に願う。
 同時に、いつか、三宅島の地に立って山や森や海や空や人や生き物を眺めてみたいものと願っている。


 三宅島についての全般的な情報は、下記を参照のこと:
三宅島観光協会
 以下では、「三宅島の噴火に関する情報を紹介して」くれている:
三宅島2000年噴火

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