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2005/11/22

帰り花…妻の尻

 例によって「俳句ステーション」サイトの「季題【季語】紹介 【11月の季題(季語)一例】」表を眺めていたら、表題に示した「帰り花」が気になった。
 その前に、「目貼」や「竹瓮」なども調べてみたいと思ったが、ふと、あれ? 「竹瓮」は以前、触れたことがあったのではと遡ってみると、案の定、「季語徒然」(November 30, 2004)にて表面を撫でる程度だが、扱っている。
 では、「目貼」はどうなのかというと、食指が動きはしたのだが、その前に、「帰り花」のほうが季語として言葉として小生には未知で、調べ甲斐がありそうに感じられたのである。

「優嵐がほぼ日刊で季語と俳句と季語にまつわる短いエッセイをお届けします」という、昨年の二月から開設されている、謂わば季語随筆については先輩格に当たる [優嵐歳時記]を覗かせてもらう。
 風情ある画像が添えられ、小生のサイトとは違って、要点を簡潔に示されていて、親しみやすい。
 その【暮の秋】に、「帰り花ひとつ咲きたり暮の秋」という句が掲げられている。
 この句では、「暮の秋」が季語としてメインに据えられているが、「帰り花」という季語についても解説が加えられてるのである。
「市川の堤防沿いに植えられている桜はいつの間にかすっかり葉を落としていました。桜は紅葉するのも落葉も早い木ですが、この一角は特に早いようです。葉が落ちた枝先にちいさな帰り花が咲いていました。「帰り花」は初冬の季語で、季節外れに咲く桜やツツジなどを指します」というのである。

 ネット検索してみると、次いで、久しぶりに「黛まどか「17文字の詩」」サイトに遭遇。「黛まどか「17文字の詩」2001年1月の句」」には、「旅人に道蹤いてゆく帰り花」なる句が載っている。
「旅人が過ぎ去った後、一輪の帰り花が咲いていました。「帰り花」とは、小春日和のころ、本来とは季節を違えて咲いた花のことです。寂寞とした冬の景に、ひっそりと、しかし力強く咲いた帰り花。それは、今過ぎ去った旅人が咲かせていったかのようにも思えるのです」というが、一体、旅人の正体は誰なのだろう、などと問うのは野暮だろうか。
 全く、未知の人か、それとも彼女を通り過ぎていった人なのか…。

 ところで、常々強調している点なのだが、俳句を嗜む人は、季節感に敏感であるとか、他の人が気づかないようなちょっとした風景の異変に気づく細やかな感性が肝要だとか、できれば古今の歌人や俳人・文学・歴史(故事来歴)といった薀蓄を持つことも大事だが、それ以上に大切なのは(と、小生は思う)、句をひねる意思と、同時に句に付す短文の妙を大切にすることである。
 芭蕉の句も、『奥の細道』という俳句と文章のコラボレーションがうまくマッチしている面が、大衆にも受ける大きな要因になっている(と、小生は断言する)。
 だからこそ、句だけでも句の境は成立するのだとしても、地の文を読むことで一層、句境に親しみを覚えその世界に馴染めるのだと思う。

 つまり、俳句を嗜むのなら、短文の腕も磨く必要が大いにあるということである。
 小生が一番、苦手とするところ(の一つ)である。

 その芭蕉から一句。「凩に匂ひやつけし帰り花」の句碑が伊賀上野周辺にあるようである。「大垣の門人の別荘で即座に詠んだ句」だとか。句意はリンク先を覗いてみてほしい。

 ネット検索したら、「さきわいみゅーじあむ」というサイトの「今月の季語 11月1日~30日(陰暦9月24日~10月23日)」に、面白い記述を見つけた。
「帰り花(かえりばな)」の項を捜し求めると、「小春日和のあたたかさに、季節でないのに花を開くことを言うそう。単に帰り花というときは桜の花のことを指します。ほかに帰り咲(小結から関脇にかえり咲き、も同じ意味?)、忘れ咲、狂い花、狂い咲。初冬に咲く桜か....。」とあるのだ。
小春日和のあたたかさに、季節でないのに花を開くことを言うそう」という前段も肝要だが、「単に帰り花というときは桜の花のことを指します」というのも、銘記しておくべきなのだろう。

 そうはいっても、自然現象のこと、狂い咲きの事例は「桜」に限るはずもなく、「梨・桃・山吹・躑躅(つつじ)などの木」の事例も見受けられるようだ。

「今月の季語」にも、「帰り咲、忘れ咲、狂い花、狂い咲」が示されているが、「二度咲き」という傍題(類語?)もあるようだ。

「帰り花」という季語の織り込まれた句の例は数多くは見つからないが、ネット上では、すでに紹介したほかに、「誘はれて森に踏み入る帰り花」、「仰がれて震へてゐたり帰り花   湖舟」、「氷河期の土の匂いの帰り花     本田ひとみ」、「日当たりの良き一枝の帰り花    井上幹彦」などが見つかった。
 また、「季語別 俳句 歳時記」では、「帰り花(返り花)」を詠み込んだ句が多数、紹介されている。

右脳俳句パソコン句会 12月例会(1)」にて、「帰り花仏の前の妻の尻 一夜」なる句が見つかったが、人によってはこの句を秀逸と感じるかもしれない。
 そのココロはリンク先の鑑賞文を参照願いたい。
 もっとも、女房というものを持たない小生には到底、窺い知れない句境だが…。

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