今日は水の日
野暮用があって休日は日頃、部屋で無精を決め込む小生も町まで外出と相成った。駅まで小生の足だと徒歩三十分。トホホの距離である。なので、行きはバスを利用。
←紫苑さんにいただきました!
その前にバス停近くの写真店に昨日の撮影分の現像を依頼。写るんですという謳い文句だけれど、写っているかどうかは、結果を見ないと分からない。出来上がりが楽しみでもあり不安でもある。
駅周辺で用事を済ませると、帰りはトボトボと歩き。とはいいながら、本人はせっせと歩いているのだが、後続の方たちにドンドン追い抜かれていくので(それも、見るところ、急いでいるようではない!)、体裁上、のんびり歩いていると、見栄もあって、若干のウソ混じりの表現をせざるをえない。
ゆっくり歩いている人に追い抜かれるとなると、小生は、人が見たらスローモーションで歩いているように見えるかも。まさか、商店街のアーケードで宇宙遊泳の真似事をしているとまでは思われていないと思うけど。
足が短い? 本人が思っているほど、足が出ていない? 体が重い?
いずれにしても、悲しいものである。
というわけで、昨夜といい、今日の午後といい、商店街を歩く羽目になったわけである。何も昨夜を懐かしんで、遠く離れた我が住地近くの商店街の路肩を歩いてみたというわけではないのだが。
さて、表題は「今日は水の日」とした。
誰かが予想しているように、炎天下を歩いて汗だくになった、ここから強引に水の話題に持っていこうなどとは微塵も考えてはいない(こともない)。
実は、駅からの帰り道、途上にある図書館に立ち寄るつもりでいたのである。小生には三十分の道のりを直射日光を浴びながら歩くのは酷というもの。なので、ほぼ半分ほどの場所に位置する図書館に寄って、新聞を捲るか雑誌を眺めるか、司書の美しいお姉さま方の勇姿を眺めるか、本の背表紙くらいは、世間体もあって立派に並んでいることを確認くらいはしようかな、という算段、腹積もりである。
最後の本の背表紙の並びを確認すること以外は、目論見を果たした。
ところで、図書館の入口付近にある新聞コーナーで新聞をパラパラ捲ってみたら、「水の日」の話題が社説欄に採り上げられていたのである。確か、毎日新聞だった。
早速、「水の日」をキーワードにネット検索する。トップに「「国連水の日」-行事・広報(水文化の回復と育成)」が登場する。開いてビックリ。真っ赤な画面。見ると、国土交通省のサイト。お役所のサイトにしては、奇抜な色合いである。
でも、中身はしっかりしている(と推測する)。
その冒頭に、「国連水の日」として、「1992年12月22日の第47回国連総会本会議において、毎年3月22日を「国連水の日」とすることが決議され、国連水の日に水資源の保全・開発やアジェンダ21の勧告の実施に関して普及啓発活動を行うことが提唱されています。 」と書いてある。
あれ、水の日って3月22日じゃない?!
検索サイトも気を利かせてくれたものか、検索結果の二番目に、「「水の日」「水の週間」-行事・広報(水文化の回復と育成)」が現れている。
やはり耳目を惹くためなのか、何かの警告を発するためなのか、まあ、注意を喚起したいのだろうけれど、真っ赤な画面で、そこには、「「水の日」及び「水の週間」」として、「水の貴重さや水資源開発の重要性に対する国民の関心を高め、理解を深めるため毎年8月1日を「水の日」とし、この日を初日とする一週間を「水の週間」として定め、各種の行事を国、地方公共団体及び関係諸団体が連携して実施しています。」とある。
おお、よかった。やはり、今日8月1日は「水の日」なのだ。しかも、毎年なのであり、「この日を初日とする一週間を「水の週間」として定め、各種の行事を」行っているとか。
真っ赤な画面ほどには世の中にあまり気づかれていないような気がする。
特に、今年はほんの一時期、水不足が懸念されたが、すぐに相当量の雨が降り、ダムの貯水量も十分となって、マスコミに水の話題があまり採り上げられなくなった。
ちなみに、日本において8月1日が「水の日」とされたのは、年間を通じて水の使用量が多くなる時期だからのようである。
水の問題は実は深刻なのである。
小生自身、折に触れてこの問題を扱ってきた。
主なものを挙げると:
「森のこと水のこと」
富山和子氏の「水の原点とは」と題されたエッセイを紹介する形となっているが、特に、「日本列島は決して水が豊富だったわけではない。むしろ太古の時代から不足していた。それにもかかわらず今日私たちが水に不自由しないのは、数千年に渡り先祖たちが並々ならぬ努力をして水を作ってきたからだ。日本の河川はとても急流で短く、降った雨を一度に海へと流してしまうという特徴を持つ」という発言に注目している。
また、草刈十字軍の活動を紹介しつつ、(森や土を保全するための)山の担い手が不足しているとも書いている。
「日本は水を大量輸入?!(付:水の話、あれこれ)」
日本は降雨量もあり、水が豊富な国土というイメージがあるが、実は、せっかくの水を流しっぱなしにしている国、また、食料などの輸入品の形で水を大量に輸入している国だという内容。
日本は森の国でもあるが、山の国でもあり、降った雨は立て板に水のごとく、あっという間に流れ去ってしまう。
何事も水に流すという発想があるが、まさにこの発想そのものをこそ、水に流すべきだ、とも書いている。
「水フォーラムのこと」
本稿では、「「1991から2000年の10年間で自然災害でなくなった人の90%以上が、集中豪雨や洪水といった極端な水文現象の結果として命を落としてい」るという現実である。環境異変、は水異変という形で既に露となっている」などと書いている。21世紀は石油よりも、天然ガス資源よりも、どんな鉱物や地下の埋蔵資源よりも水を巡る戦争の世紀になりかねない世紀なのだ、とも訴えている。
「飛越地震があったとか」
我が郷里・富山は今でこそ、名水百選に三箇所ほども選ばれる名水の地であり、米所でもあるが、「土地の開拓そして米作りの歴史は河の氾濫との戦いの歴史でもあった。富山には常願寺川など、暴れ川が何本もあった。江戸時代も洪水との戦いは繰り広げられたが、明治以降も、公共事業というと、河の改修工事(とダム建設)がメインと言っても過言ではなかったのである」として、水、つまりは土地との戦いに明け暮れてきたのだ、などと書いている。
未だ、正面切って採り上げたことはないが、水素と酸素とを燃やして水にする過程で生じるエネルギーを使う燃料電池も、水が生じるということで、近い将来、燃料電池が普及したなら、排出される水のことで、大きな問題が予想されると小生は考えている。
だからといって、小生が燃料電池(の普及)に反対しているわけではない。
ただ、燃料電池は、太陽電池同様、決して夢の電池ではないと察せられると考えているだけである。
このことは、機会があったら書いてみたい事柄である。
夏だと水に絡む季語は結構、ある。「打水 水撒く 水打つ」「撒水車」「サイダー」「ニッキ水」…。「田水沸く」という「炎天が続き、田の水が湯のように熱くなること」といった意の季語もある。夏場に田圃を覗くと、湯だったようで稲がどうかなってしまうんじゃないかと思ったり。
「炎天下の日向に、水を張った桶を出しておき水を温めること」だという「日向水(ひなたみず)」という季語もある。
が、八月は、歳時記上は、秋。もっとも、立秋は8月7日なので、この日から秋が始まるわけだが。
どうも、八月の初めというのは、歳時記上、真夏なのに秋をイメージしなくてはならず、中途半端なような気がする。
[ メルマガ「「PUBLICITY」(パブリシティー) 編集人:竹山 徹朗」の「No.1197(2005/08/02/火)」号を読んでいたら、「「イラク・ホープ・ダイアリー」の「7月31日 命の水」を紹介…というか、転載していた。言うまでもなく、高遠 菜穂子さんのブログサイトの記事。
イラクの実状を知るためにも、あるいは彼女の活動ぶりを知るためにも、水を巡る戦いが起きていることを知るためにも、是非、読んでもらいたい。
「7月25日 今日、私は何リットルの水を使っただろう?」も、「今日も、浄水場が攻撃されました。バグダッドの半分が渇水状態です。と同時に、発電所も攻撃され問題は拡大する一方です。明日、水のろ過方法を記したものを配るつもりですが、問題はろ過する水さえ手に入らない人たちです」(要約)といった記事が紹介されていて、気になる記事である。
また、「7月26日 バージョンアップの夏」は彼女の頑張りの内面が伺われるようで、胸が傷む。 (05/08/03 追記) ]
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コメント
私も歩くのが 異常に(?)遅いと感じたこと
ありますよ。
家が 急な坂の上の住宅地だったんですが
ドンドン抜かれていくの。
電車の駅が坂の下だったので 一斉に
みんなが 坂を登って家路を急ぐ・・。
気がついたら いつもビリでした。
ふーん・・今日は 水の日・・だったんですね。
投稿: なずな | 2005/08/02 00:28
なずなさん、こんにちは。
こうなったら、自分は自分だと開き直るしかないですね。所詮は、自分の人生を生きるのだし。
慌ててもゆっくりしても旅は旅
投稿: やいっち | 2005/08/02 03:58
追記にて、高遠 菜穂子さんのブログサイトの記事を紹介。水つながりということもあるので。
投稿: やいっち | 2005/08/03 12:55