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2005/06/16

ハッピーバースデー・ツーユー!

 とうとう梅雨入りである。今年も景気良く、ハッピーバースデー・ツーユー(梅雨=つゆ)と叫んでおく(声に出さないで)。昨日も今日も雨。ジリオラ・チンクエッティかギルバート・オサリバンの雨でも聴きたい気分だ(勘違いしてた。ギルバート・オサリバンじゃなくって、ホセ・フェリシアーノの「雨のささやき」だった。「ハートに灯をつけて」もいいんだけど)。
 でも、プレーヤーもないし、雨の音を聴きながら小文を綴ってみる。

 今日の表題には何故か「長靴」を使いたい気分だった。が、調べたかぎりでは「長靴」は季語扱いされていないようである。
 但し、「ブーツ」ならば、「防寒用の長靴」ということで目出度く(?)季語の仲間入りとなる。類義語も「毛皮靴」があるくらいだ。が、このニュアンスから分かるように、冬の季語である。
 では、「ブーツ」が季語例にあるのなら、「長靴」だって仲間に加えてやっていいじゃないか。
 季節は? そう、梅雨だ!
 それにしても、「ブーツ」と「長靴」では意味が違うのか同じなのか。雨の日などに女性方が履いている「それ」を指して、「素敵な長靴ですね」って言ったら、褒めるつもりで言った場合でも、何よ! っていう反応となるのは、目に見えている。
 要するに同じじゃん、なんていう正論というか理屈はとおらないのである。試しに「長靴」の英訳を探すと、「Boots」である。じゃ、というので、英語の「Boots」を日本語に訳すと、我がパソコンの翻訳ソフトでは、「ブーツ」となった。
 なんのこっちゃ?!

 まあ、小生の勝手な推測で言えば、「長靴」と表記した場合は、実用性にポイントがあり、梅雨など雨の日に履くゴム長なのであり、「ブーツ」というと、雨に必ずしも関係なくて、ファッション性の面に焦点が合っており、素材も合成樹脂から皮までと色々あり、色もカラフル、デザインも多彩、ということになるのか。
 撥水製も考慮されているのだろうが、でも、ブーツは雪や雨の日には避けたほうがいいのか、な。

 デザインというと、長靴の場合実用性重視だから、カカトもブーツのように高くはない。ロンドンブーツだけは、形状が複雑なので、ブーツなのか長靴なのか分からない。心理的にはブーツと呼んで欲しいのだとは思うが。

 そうはいっても、「長靴」、それなりに伝統的なゴム長に連なる長靴も近年はファッション性が高まっているようだ。「asahi.com: 梅雨を楽しく快適に 華やか長靴・アイデア傘、グッズ色々-梅雨特集」なるサイトを覗くと、目くるめくような長靴のオンパレードである。
 豹柄のレインブーツもある。
 おっと。そうか、雨などを意識した実用的な長靴は、レインブーツと呼称するのがオシャレなのだ。
 長靴…レインブーツは、冬には我慢できる。実用性の意味でも仕方ないからということもあるが、冬は湿気が高くないので長い時間履いて居ても、靴の中でべたつくことはないからだ。
 が、梅雨時だったりすると、ゴム長は、いくら雨を凌ぐためとはいえ、うんざりしてくる。最近は、撥水で且つ透湿の(ゴアテックス)長靴もあるというから、試してみたいものである。

 さて、冒頭に「今日の表題には何故か「長靴」を使いたい気分だった」と書いた。実は、昨日、雨の中で仕事していて、北原白秋の作詞した『アメフリ』(作曲 中山晋平)を思い出したからである:

  雨 雨 降れ 降れ
  母樣が蛇目でお迎ひ嬉しいな
  ピツチピツチ チヤツプチヤツプ
  ランランラン

 この詞(童謡)については、以前、歌詞の中に現れる「蛇目」に焦点を合わせて、若干のことを書いたことがある。話の眼目(の一つ)は、ガキの頃、「蛇の目」を理解していたかどうか怪しいという点にあった(→「雨の目蛇の目」を見てね。ここでは触れないが、傘についての薀蓄も傾けている→「梅雨入りに傘のことなど」)。
(どうでもいいが、この童謡「アメフリ」の詞を通して読むと、登場するガキは、鼻持ちならないお坊ちゃまだと、今更ながらに気づく。こんなガキが身近に居たら、嫌っただろうな。嫌いつつも、さりげなく振る舞うそいつが妬ましかっただろうな。)

 この詞で以前は、蛇の目(傘)に注目してあれこれ綴ったのだが、昨日は、詞の後半の「ピツチピツチ チヤツプチヤツプ ランランラン」が気になったのである(ちょっとだけ)。
 このガキは、というか、お坊ちゃまは、いいことをしたと思って、気分は爽快である。母の手前、点数を稼いだし、お母様と相合傘になれたし、「あらあらあの子はづぶ濡れだ」と表される「あの子」は、まず間違いなく女の子だろう(場合によっては、ガキの、お坊ちゃまの好きな女の子だったのか、それとも、お坊ちゃまの例に漏れず、彼の取り巻きの女の子の一人に過ぎないのか…。ほぼ同年代の女の子に向かって「君」だってよ!)にも、気に入られたと思って無邪気に有頂天になったものと推測される。
 まあ、この先、つまらない突っ込みはやめておく(つまり、傘を持ってきていないということは、女の子の履いている靴も、長靴ではなく、普通のズックか何かの可能性がある。となると、傘を貸すだけでは中途半端ではないか。どうせなら、お前の履いている長靴も貸してやれよ、云々。ここまで来ると、やっかみのしすぎだ。)。

「ピツチピツチ チヤツプチヤツプ ランランラン」が気になったというのは、上記したような愚想ではなく、ああ、足元は長靴だよな、という絵柄だったのである。
 女の子だと赤かピンク、それともイエロー、ホワイトなどだろうが、男の子だと黒か青(紺)に相場が決まっている(尤も、このお坊ちゃまの場合は、おカネもありそうだし、ゴールドの可能性も捨てきれないが)。

 長靴が季語ではない(断定はしない。資料が乏しいので)こともあってか、長靴という言葉の織り込まれた句の例はネットでは少ないようだ。
 そんな中、「ハルモニア通りへようこそ」というサイトの「鑑賞」という頁で見つけた「長靴を蹴つて脱ぎをり竹の秋  水澤秀子」などという句が秀逸だったりする。その鑑賞文も是非、読んでみてほしい。
 しつこくネット検索を繰り返すと、案外と「長靴」という語の含まれる句が多いことに気づいた。いつからか、ゴム長靴がダサく思われてきてしまったけれど(仕事柄、履くのなら、それはそれで一向に構わないのだが、タウンユースとなると、まして通勤となると、履くのは辛い!)、それでもある年代以上の人だと、幼少の頃など、ゴム長靴に絡む思い出の一つや二つはあるのだろうし、ゴム長で雨上がりなどに思いっきり、「ピツチピツチ チヤツプチヤツプ ランランラン」とやってみたことあるのではなかろうか。
 そう、この感覚を味わう前提として、通学路がまだ舗装されていないということがないと成り立ち難い。都会では校庭でさえ、土のグラウンドは少ないようだ。コンクリートだったりする。それでも、表面が僅かに波を打っていたりするから、雨が上がった当初は、早めに乾く部分と、水たまりに近い状態でいつまでも水っぽかったりする部分もあったりはするようだけれど。
 でも、やはり、砂利道、泥の道でこそピツチピツチ チヤツプチヤツプ ランランラン」が楽しい。

 水たまり。人の通りの少ない道や庭の水たまりだと、雨が上がっていたら、水は澄んでいる。そこに思いっきりゴム長でバシャッとやってみる。すると、泥水が撥ね飛び、剥き出しの脛(すね)が汚れたりするが、そんなことより、一気に濁ってしまった水たまりの水が、次第次第に澄んでいく様子を眺めているのが楽しい…ような。

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コメント

弥一さん、お誕生日でしょうか?それならおめでとうございます。

投稿: pfaelzerwein | 2005/06/17 06:47

pfaelzerweinさん、紛らわしくてごめんなさい。生まれたのは「つゆ」です。
それに、目出度くもないですね。

投稿: 弥一 | 2005/06/17 09:31

ふーん、この歌の2番は知りませんでした。
4番も あんまり記憶になかったな・・・。

お母さんが傘を持って 迎えに来てくれる・・
子どもにはテレくさくもあり 嬉しいくもあるんでしょうね。

来てくれなくて困ってる子に対して、ちょっぴり優越感もあったりするんだ・・。
歌詞の物言いが 今の時代の感覚だとどうも「お坊ちゃま風」に聞こえるので なんか嫌な感じもしますが、わりと子どもにありがちな感情なのかもしれませんネ。

投稿: なずな | 2005/06/18 16:58

なずなさん、こんにちは。
「アメフリ」の中の子は何歳なのでしょう。幼稚園より上、小学生になりたてかな。
小生の家は学校から90メートルほど。全力疾走すれば、ガキの小生でも門から門までで30秒。だから、傘がなくて迎えに来るってことはなかった…というより必要がなかった。でも、迎えに来る子は羨ましいような、頼りないような。でも、そんなのは女の子だよね。
それに、ガキの頃って、雨の中、わざと傘を差さないではしゃぐのも楽しかったりした。

投稿: 弥一 | 2005/06/18 19:40

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