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2005/03/04

淡雪・春の雪

「春の雪」は、文字通り、春の季語で、「しめっぽく、解けやすい。降るそばから消える」ことを含意し、「淡雪 春雪 牡丹雪 綿雪 斑(はだら)雪」などの類義語を持つ(「春の季語(自然編-50音順)」より)。
 関東地方に限らないが、西日本から次第に東のほうへと、冷たい空気が上空に入り込んできて、東京も、今(夜半を回った零時半)は雨模様だが、未明には雪になりそうだという。
 その意味で、表題を「春の雪」としたのは、積もることも予想されている雪よ、淡雪の如、あっさりと消え去って欲しいという願いも篭っての選択なのである。
 七年前だったか、小生の居住する東京も大雪になり、その日、小生はタクシーでの営業中だったが、雪に降り込まれ悲惨な目に遭ってしまった。その顛末などは、いつか、書き止めておきたいが、明日(既に今日だ)の営業での悪
夢の再現だけは御免被りたい。
 雪がもっとひどいと、会社に出向いても、会社は車を出させてくれない。また、別の降雪時は、実際、会社で足止めを喰らってしまった。
 こんな日こそ、社会的責務からいっても、スノータイヤ等を履いて仕事すべきはずなのに、と思いつつ、会社まで一時間あまりをかけて徒歩で来た道を、後ろ髪を引かれる思いをしつつ、また、トボトボ、歩いて帰ったものだった。

 春の雪は、淡雪であり、泡の消えるように、呆気なく溶け去り、消え去っていく。
[ 花鳥風月 ]によると、「淡雪が春の季語となったのは江戸初期からで、それまでは冬の季語でした」という。
 どういった経緯があって、変わったのか。

 ところでその泡だが(かなり飛躍します。宇宙時代だから?!)、ここ最近の泡の研究は相当程度に進んでいて、泡の科学的解明の成果がドンドン、現代社会に生かされている。宇宙ロケットにも、泡の技術が、例えば、液体燃料タンクなどに応用されている。主に、断熱材として。
 そんな話を書くのも、今、読んでいる、シドニー・パーコウィツ著『泡のサイエンス―シャボン玉から宇宙の泡へ』(はやし はじめ/はやし まさる訳、紀伊国屋書店刊)に感化されているからである。
 本書の書評感想文は、機会があったら書くかもしれないが、とりあえず、出版社側の謳い文句だけ、転記しておくと、「私たちの宇宙は多様な泡に満ちあふれています。生活に身近な石鹸やビールの泡のほかに、原子・分子の世界から大宇宙の構造まで、泡は形を変え出現します。また実用面では、食べるもののみならず、医療やゴミ処理や宇宙探検にいたるまで、泡は活躍しています。本書は、驚くほど多岐にみちた泡の魅力的な世界へ読者を誘います。」とのこと。

 ビールやシャンパン、ワイン(コルク!)、コーラ、エスプレッソ、メレンゲ、エアロゾル、断熱材、衝撃緩衝材、燃料貯蔵体、消化剤、毒ガス吸収剤などなどとして泡の活躍は目覚しいのだ。
 他にも、ジェット機の緊急着陸時のための緩衝材(泡)としても、使われているとか。
 卵を数メートルの高さから落としても、ある緩衝材の上だと割れないという実験をテレビで見た人もいるのでは。マラソンなどのシューズの底にも応用されているらしい。
 泡は、医療の世界でも活躍している。悪性腫瘍の部位の発見、腎臓結石の超音波による破壊・治療など。

 小生の仕事は、路上を車で走ること。道路やタイヤは、身近どころではない間近な環境である。
 タイヤ(ゴム)のことも、いつか触れたいが、ここでは、道路のことを少々。
 道路と言っても、舗装のことである。
 車を運転しなくとも、雨の日など、車が走るのを見て(場所にも依るが)、水飛沫の極端に少なくなった場所があることに気付かれている方も多いだろう。そのような<現象>が生じているのは、ほんの数年前からである。
 それは、透水性舗装と呼ばれる舗装が施された結果なのである。
JXDA --製品考察・透水性舗装--」によると、「都市化が進みアスファルト舗装面積が拡大するほど、雨水は地中への浸透を阻止されてきた。それは、都市型洪水、地下水の枯渇、地球温暖化の元凶とされ、最近では雨水の地中還元を叫ぶ声が大きくなっている。都市の機能を損ねないという前提の中で、注目されているのが、透水性舗装である」という。
 さらに、「舗装とは、水の浸透具合により、非透水性舗装と透水性舗装(広義)に大別される。非透水性舗装は、舗装面からの排水・透水機能がまったくない従来からある非排水/非透水舗装と、表層のみ空隙があり排水する排水性舗装に分けられる。透水性舗装(広義)は. 舗装材料に空隙があり排水・透水機能があるもので、舗装材料の形態により、さらに透水性舗装、保水性舗装に分けられている。」という。
 その目的やメリットは、地下水の保全、気化熱、照り返しの緩和、平坦で滑りにくいことによる歩行者の安全保護・バリアフリー、雑草の防止、メンテナンスの低減、土砂の流出を防ぐなど、多様多彩である。
「透水性舗装の種類」には、例えば、「透水性アスファルト」があって、高速道路などで、そうした舗装を実体験する。「路面に雨が浮き、側溝へと流れていくのがわかるような時、あるところだけアスファルトが今までと違って黒く光り、路面に浮いていた雨がなくなり、側溝に流れる雨が忽然となくなり、雨などない晴天の道路を走っているのかな、と錯覚しそうな道路を走ったことはないだろうか。その部分が透水性アスファルト舗装」だというのだ。
 確かに、経験している。
 ただ、困る(?)のは、従来型の舗装との違いがあまりに顕著なので、その舗装の種類の切り替えの箇所で、天気は雨降りなのに、それまで水煙で視界が不良だったのが急に良くなる(これはいいのだが)、逆に、良かったのが急に悪くなる、といった現象が見られたりすることだ。
 後者だと、極端な表現をすると、視界良好な世界から一線を跨ぐだけで洪水の世界に迷い込むような感覚さえ、あったりする。
 
 他に、「透水性コンクリート」などがあって、車道は勿論、構造物(家屋や歩道も含めた)にも応用されているとか。

 先の引用文にもあるように、透水性舗装のほかに保水性舗装もあるという。
保水性舗装と透水性舗装の違い」を見てみると、「透水性舗装と保水性舗装の違いは、保水性舗装の方が多機能であるということがあげられます。つまり透水性舗装は水を地下に浸透させる効果のみですが、保水性舗装は水分を保水・吸収し、保水した水分を蒸散させるため、ヒートアイランド現象を抑制する効果もあ」るという。
「保水性舗装は、雨水を保水性舗装材に吸収・蒸散させ、舗装面の温度を抑えることにより、ヒートアイランド現象を抑制する舗装で」、「構造は、保水性舗装材等(表層)の下に浸透層を設け」るのだという。
 そうした舗装のための素材が、モイストブリックなどなのだろう。「内部に数ミクロンの微細な多孔質構造を形成するため、高い保水性で大地と同じ環境を創り出」すというのである。
 ようやく、ここに泡=数ミクロンの微細な多孔質構造が登場してきた。

 ネット上で「泡の科学」をレクチャーしてくれるサイトはいろいろありそうだ。例えば、「泡の科学」など。
 あるいは、「外科医・山内昌一郎のホームページ」の中の、「泡の科学」という頁などは、シドニー・パーコウィツ著『泡のサイエンス―シャボン玉から宇宙の泡へ』などにも触れながら、泡の持つ可能性を教えてくれる。推奨の頁だ。ここを最初から覗いておけばよかった!

 さて、最後に季語随筆らしいことを少々。『新古今和歌集』の中に「春日野の下萌えわたる草の上につれなく見ゆる春の淡雪」があり、ここから、下萌え(したもえ)が春の季語になったという(「週刊:新季語拾遺 最近のバックナンバー」より)。
下萌(したもえ)」は、既にこの季語随筆で扱っている。

 春の雪溶けるを惜しみ息もせず
 春の雪土の色隠すまでもなく
 春の雪行く冬の日を惜しむごと
 淡雪を惜しむごとくの面影か

 ところで、「無精庵投句の細道」は、この季語随筆日記の裏舞台的存在。かなり気軽な日記風に仕立ててあります。写真も、こちらには多めに掲載。たまには覗いてください。

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