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2005/03/01

アホウドリ:オキノタユウ

 ラジオでアホウドリの話題を聞いた。アホウドリは、季語なのかどうか、分からない。「無季」扱いのようである。「大辞林 国語辞典 - infoseek マルチ辞書」によると、「無季」とは、「俳句で、季語を含まないこと。また、その句。 「―俳句」」とある。
「無季」の言葉と季語とを組み合わせて俳句を吟じていいものか、良く分からない。
 アホウドリとは、同上の辞書によると、「信天翁」あるいは「阿房鳥」と表記する。また、「(1)ミズナギドリ目アホウドリ科の海鳥の総称。海鳥としては最大。アルバトロス」とか、「(2)アホウドリ(1)の一種。体は白色で、翼と尾は黒色。全長約1メートル。体重約7キログラム内外、翼を開くと3メートルに達する。伊豆諸島の鳥島および尖閣列島でのみ繁殖する。羽毛業者による乱獲・火山の爆発などで個体数が激減したが、近年回復に向かいつつある。特別天然記念物・国際保護鳥。絶滅危惧(きぐ)種」とある。
 昨夜のラジオ(NHKのラジオ夕刊)は、「山階鳥類研究所」の上席研究員の方が話されていた。誰だったのか、名前は聞き漏らした。最終更新は、2004年12月28日のようである。
 せっかく、ラジオで研究員の方がインタビューに応じる形でお話されるというのに、予告も報告もない。勿体無い話だ。

「山階鳥類研究所」は、「鳥の宮様」と呼ばれた山階芳麿氏が設立されたということで、紀宮さんの非常勤勤務先でもあると、昨年末の婚約に絡み、テレビ等でも報道されていた。
 その「最新の話題」を覗く。「サハリンでハマシギ調査実施」「フィリピンで新種のクイナ発見」「中国放鳥の標識鳥 日本での発見あいつぐ」「ウルグアイで国際会議 日本のアホウドリの復活計画について検討」「鳥島初寝崎新繁殖地 アホウドリ3番いが産卵」など、それぞれに興味深い。
鳥島初寝崎新繁殖地 アホウドリ3番いが産卵」を覗くと、「山階鳥研が環境省の委託で絶滅危惧種アホウドリの保護増殖事業(通称「デコイ作戦」)を行っている伊豆鳥島の初寝崎で、アホウドリ3番いにより合計3卵の産卵があった」とあり、さらに、「その後初寝崎では、山階鳥研の調査隊と入れ替わりで入島した、東邦大学の長谷川博教授によって4番いめの産卵が観察されました」ということで、増殖事業は成功しつつあるように見える。
 ただし、「小笠原 ニュース アホウドリの繁殖地」を覗くと、「絶滅の危機にあるアホウドリの再生に向け、米国政府が保護・繁殖策の検討を要請していた国際研究チームは、新たな繁殖地の有力候補として、東京都の小笠原諸島を選定した」とある。
 それは、「最大生息地の伊豆諸島・鳥島が噴火して繁殖地が破壊される危険に備えるもの」だという。

 ところで、「米国政府が保護・繁殖策の検討を要請」というと、まるでアメリカがアホウドリの再生に熱心であるかのようだが、内情は違うらしい。水産資源を確保するのに、アホウドリが共に網に懸かったりするので、漁業(底延縄漁業)の上で障害になっており、絶滅危惧種からアホウドリが外れることを願ってのことだという。

 4番いめの産卵や「デコイ作戦」が気になる。
HOME-アホウドリ復活への軌跡」を覗くと、「今シーズン、この場所で、1995-96年期から繁殖してきた1組に加えて、新たに3組、合計4組のつがいが産卵しました。11月中旬までの山階鳥類研究所の調査によって、合計3組のつがいの産卵が確認されていましたが(11月18日、環境省記者クラブで発表)、その後11月25日までに、さらに1組が産卵したのです」とある。
 その詳報を求め、「第88回鳥島アホウドリ調査報告」へ飛んでみる。
 すると、「今年、台風がたくさん発生し、日本列島に上陸・接近しましたが、たいていは西日本を経由し、小笠原・伊豆諸島を通過した例は少数でした。 そのために、豪雨がなく、急斜面でも土砂がほとんど移動しなかったと考えられます」などと書いてある。なるほど、アホウドリたちのコロニーは、急斜面にあり、昨年の相次ぐ台風は、研究者達の危惧の種だったわけだ。
 そのため、「従来コロニーでは、1993年から営巣地の保全管理工事が継続され(環境省の保護事業)」ているというが、一体、どういった工事なのだろう。
第88回鳥島アホウドリ調査報告」は、「燕崎崖上のススキ群落で求愛ダンスをする若鳥」などの写真もいい。
 さて、「デコイ作戦」とは、「新コロニー形成を人為的に促進する保護計画」のことで、「アホウドリのデコイ(鳥の模型)が設置され」るのだとか。
「デコイには雌雄の別の他、求愛中のアホウドリ、座っているアホウドリなど異なったポーズのものがあります」とのことで、この模型、出来もよさそうだし、これだったら、買えるものなら買うという人もいるかも。
 さて、繁殖・増殖は成功しつつあるが、「鳥島は、日本にある108の火山のうち、もっとも噴火の可能性の高い(危険度Aランク)13の火山の一つ」ということで、「この火山噴火による影響を回避・軽減するため、非火山島の小笠原諸島聟島列島にアホウドリの第3繁殖地を形成する計画が始動しました」という。
 その場所が、上掲の小笠原諸島だというわけである。
 ところで、余談ついでだが、鳥島のことを少々。
「伊豆七島」は、どの島を指すのか?」を覗いてみる。小生など、若い頃は、伊豆七島という名称が耳馴染みだった。が、この伊豆七島には、「大島・利島・新島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島」が含まれるのみだという。
 式根島、青ヶ島や、話題の鳥島などが含まれないことになる。
 いろいろ事情があり、「現在は「伊豆諸島」という名称が一般的になり、「伊豆七島」はあまり使われなくなっているようです。「伊豆諸島」は、例の南方四島(豆南諸島[19744])までを含」むのだという。
 では、伊豆諸島と小笠原諸島との関係は如何。
 これは、たとえば、「東京諸島観光連盟(旧名称:伊豆七島観光連盟)ホーム」を覗くのがいい。
 分からないが、東京諸島には、鳥島は入らないのか、リストに載っていない?!
 ネット検索していたら、鳥島に纏わる悲劇の歴史を知ることになった。「南大東島の歴史3玉置半右衛門の生涯 3 ~鳥島、アホウドリ乱獲の光と影~」という頁を是非、覗いてみて欲しい。
 
 さて、せっかくなので、アホウドリ(信天翁 阿房鳥 阿呆鳥)の織り込まれた句を:

  日にいちど入る日は沈み信天翁     三橋 敏雄
  信天翁もふるさとの毛に隠れけり    安井 浩司
 
 ここまできて、アホウドリの漢字表記に触れないわけにはいかないだろう。
雑学大作戦:知泉[アホウドリ]」を覗かせてもらう。
「この名前の由来は、航海中の船の上にも気軽に降りてきて簡単に捕まってしまう事から命名されたと言」うとか。
 だからこそ、「この鳥は人間に対して全然警戒心を持たないために「手で捕まえられるようなアホウな鳥」と言う意味の名前。しかし、その警戒心の無さから絶滅の危機にまで減少し、現在は国際保護鳥」ということなのだろう。
 が、思うに、多くの野生の鳥(動物)は、よほど警戒心の強い種でないかぎりは、大概は、初めて近づいて来る人間には無警戒で、むしろ、好奇心一杯で彼らのほうから寄って来たりする。そうした動物たちを人間たちは乱獲してきたわけで、何も、アホウドリが取り分け、気がいい、間抜けな鳥というわけではなかろうと思う。
 これは、小生の推測だが、人間の生活の場に近い鳥を含めた多くの動物は、有史以前に人間と接触し、言い伝えや、まして史書(文書)に記載される頃には、とっくに人間を警戒する野性の動物であったので、長い交流を通じて動物の外見その他で名称を決められてきたのだろう。その間、文芸に秀でた方も命名に関わったに違いない。
 一方、アホウドリは、日本列島(本土)には少なく、南海の孤島にあり、名称を付ける頃は、まだ、人間に慣れておらず、乱獲のし放題となり、よって、馬鹿な人間から見たら、阿呆な鳥ということで、命名されてしまったのではないか。
 つまり、名称が磨き上げられるに至る前に、情ない名前が定着してしまった。センスのある人が関わる間もなくて、というわけである。
 漢字表記についても、上掲のサイトに触れられている。中で、アホウドリの保護繁殖に尽力された東邦大学助教授の長谷川博氏が、「オキノタユウ」という名前を提唱しているとは、全くの初耳。なるほど、小生など、語感的にも、これがいいと思う。
 上掲のサイトには英語などの名称にも触れられている。
 アホウドリの別名、アルバトロスは、ゴルフファンならずとも知っているかもしれない。
 例えば、「ゴルフのアルバトロス サントリー愛鳥キャンペーン SUNTORY ecoship サントリー」を覗くと、アルバトロスのことが書いてある。「アルバトロスは属名ディオメディア。ギリシャ伝説の英雄の名に由来します。死後、南イタリアの沖の小島に葬られ、海鳥になったと信じられました」というのだ。
 どうせなら、アホウドリにこれくらいの伝説を付してほしいものだ。やはり「オキノタユウ」がいいのかな。


 行方など風に聞いてくれとアホウドリ(これは我輩のことだ)
 図体が大きすぎるのか名も杜撰?
 人(鳥)がいい…だからって名前もいい加減は困る
 本物か偽者か分からぬデコイかな
 アホウドリお前も騙されるデコイかも
 騙される…研究者もアホと見てる?
 アホウドリ沖にたゆたふ神の鳥

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コメント

あんまり、関連無いのですが、同じ鳥つながりということで、トラックバックの練習をしてみました。

弥一さんは、すごいねぇ。こんなにしっかりした文章かけません。

投稿: やすみ | 2005/03/02 20:30

やすみさん、こんにちは。
 トラックバック、オーライです。成功!
「あんまり、関連無いのですが」
 いいんです。小生の文章自体、飛躍が多いんだから。お互い、大いに飛躍しましょう!!

投稿: 弥一 | 2005/03/03 08:38

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