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2005/01/10

新年会

s-DSC01279 昨日、日曜日は我がサンバチーム・リベルダージの新年会だった。会場は、アサヒスーパードライホール(4FスクエアA)だった。
 あの突拍子もない目印が屋上にあるビルだ! ちなみに、あの目印、う○こだとか、きん斗雲(きんとうん)だとか称されたりするが、あれは、「炎のオブジェ」で、躍進するアサヒビールの心の象徴なのだとか。また、「スーパードライホール」は、フランスの著名なデザイナー、フィリップ・スタルク氏によるもの。
 ちなみに、新年会は、まさに文字通り新年(一月)の季語(季題)のようだ。
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 人付き合いの極端に悪い小生、これが唯一の新年会、しかも、小生自身そのメンバーであるにも関わらず、活動は一切していない。勝手に広報担当ならぬ後方担当を自称しているだけ。折々のサンバパレードをギャラリーとして追い掛けて、レポートなどを作成、撮った写真と共にホームページに載せてきた。
 自分も参加したいが、仕事は別にしてプライベートは書くことと読むことに専念していることと、生来の怠け癖があって、楽器の練習など、つらいことを避けがちになってしまうのである。実に情ないメンバーで、忸怩たる思いがある。
 それでも、素晴らしい演奏や踊り、素敵というより圧倒される人間性に触れられて、チームの末端のそのまた端っこでささやかに応援しているわけである。
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 我がサンバチーム・リベルダージの新年会…。当然ながら年に一度である。二次会は別にしてだが(小生は疲れきって新年会が終わると、さっさと帰宅してしまった)。
 なのに、小生は当日の朝まで、書評エッセイなどを書いていて、就寝したのはすっかり夜の明けた頃合い、しかも、ベッドではなく、休日の前日の常なのだが、ロッキングチェアーでの居眠りの延長。
 気がついたら、正午前だった。チームのメンバーなら、朝の9時半までに集合し、新年会の準備などに携わる必要があるのに、こうした体たらくなのだった。食事を掻き込み、急いで会場のある墨田区は吾妻橋へスクーターを走らせる。
 スクーターを走らせ始めたのは1時10分。会場に到着したのは2時前だった。新年会は1時に始まる。スタートの時点で開始されてしまっている。
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 サンバは、自分が演奏や踊りなどで参加する場合はともかく、パレードを見物するなら、バツカーダという演奏と踊りとの饗宴が一番、楽しい。その狂騒状態の雰囲気に浸れると尚のこと楽しい。
 新年会のオープニングも、やはりバツカーダで始まっている…はずだが、小生はミスってしまっている。
 それでも、バツカーダは、オープニングのほかに、会の途中、そしてエンディングでも行われたので、一番好きな雰囲気だけは味わえている。最初に数枚、写真を撮ると、あとは、腰の重いこの我輩も、腰をフラフラ足はヨタヨタさせながらも、音と踊りの狂躁を味わうことができた。
 サンバチームは、それぞれに新年会を行うようだが(チームによってはクリスマスパーティを兼ねた忘年会として年に一回だったりするようだ)、小生は我がチームの新年会しか見たことがない。なので、他のチームの形式は分からない。
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 通常、サンバの季節が始まって、商店街などで行われるサンバパレードは、まさに基本的にはサンバを基本とする。が、新年会となると、音楽についてもサンバのみならずボサノバ(調)もあるし、踊りについても、ズークとかボイなどがあり、「普段は聞けないようなジャンルのブラジル音楽が盛り沢山」なのである。
 特に昨年の新年会で知った、ボイ・ブンバは衝撃的だった(←このサイトは是非、覗いてみて欲しい。「ボイ・ブンバという名前、ボイ(BOI)は雄牛。ブンバ(BUMBA)は、 爆発やも のが落ちたときの音の擬声語に使われ、大騒ぎといった意味などにもなります。 」というのだが)。
 ブラジル(アマゾン)の音楽の多彩さを知らない小生が迂闊なだけだが、奥の深い世界のほんの一端を垣間見たような気がした。
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 昨年は、ボイ・ブンバは、確か、BOI AMAZONAS(ボイ・アマゾナス)だったが、今年は、「バンダボイアルアナ」というチームだった。が、生憎、ホームページが見つからない。ボイのこと(も)よく分からないのだが、サンバより土俗性があるような気がする。サンバも踊りは激しかったりすることがあるが、ボイは激しいの一言だ。それだけに演奏と歌と踊りを楽しむ、特に踊りなどで参加するものとしては、楽しめるような気がする。踊りもしない小生が言うのも気が引けるのだが。
(改めて断っておくが、小生はサンバチームのメンバーでありながら、活動はしていない。だから、サンバのことについて語っていても、サンバの周辺を巡っているだけで、サンバの音楽や踊りの世界、歴史的背景も何も知らない。そもそも語る資格もない。ただ、ファンとして遠巻きに楽しんでいるだけなのである。サンバ論を語っている訳ではない。とにかく、サンバもボイもズークも見るが勝ち、参加するに越したことはないのである。)
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 新年会の会場では、今年初めて会う方ばかりなのは当然として、ほとんど昨年の浅草サンバカーニバル、あるいは志村銀座パレード以来の顔合わせの方が全て。しかも、サボっている幽霊会員なので、遭うたびに手伝わなくて、参加しなくて申し訳ありませんと、恐縮しまくりだった。
 それでも、許される限り、会場のあちこちでプライベートな写真を撮らせてもらったりした。ひたすら、優しい人柄に甘えてばかりなのである。そうして撮った、舞台の上ではない素の写真は生憎、掲載は割愛させてもらう。
 また、舞台で踊り歌い演奏する様子を撮ったものも、画質を相当に落として掲載している。プライバシーの問題もあるし、まあ、見たかったら、是非、パレードや練習会場に足を運んでもらいたい、というわけである。
(サムネイル画像ではないので、クリックしても画像は拡大できない。申し訳ないですね。)
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 サンバチームのメンバーは、セミプロ乃至はプロとして活動している方も多いが、多くはそれぞれに仕事を持っているし、あるいは家庭を持っている。地域での活動も担われたりして、ただでさえ忙しい中を割いて、練習し、パレードに参加し、ライブ会場などへ足を運ぶ。
 練習も、スケジュールが合わなかったりして、侭ならず、ほとんどぶっつけ本番状態で新年会に臨む羽目になった即席のチームもあったりする。
 衣装についても、専門店や海外(ブラジル)などに発注することが(特に浅草サンバカーニバルの時などは)多いようだが、自前で、それもお手製の衣装だったりする。夜鍋仕事で作ったりする。あるいは練習会場に集まった際に、昼休みなどに、せっせと作っていたり、そもそも、サンバパレードも、この新年会も、メンバー自らがスタッフなのである。
リベルダージの新年パーティーは、チームのメンバーだけのための行事ではありません。むしろ、みなさんに楽しんでいただくためのパーティーなのです。リベルダージのメンバーの多くは出演者・スタッフとしてパーティーの盛り上げ役となり、さらにメンバー以外の方々が多数出演してくださいます。 」という所以である。
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 さてさて、新年会では写真は、それぞれの出し物の最初に何枚かを撮るだけ留め、後は出来るだけ演奏や踊りを楽しむようにしている…とはいいながら、日頃、運動の類いは一切していない小生のこと、その前に前夜は徹夜しかも椅子での仮眠だけだったりして、会場では二時前に到着して、それこそ、二時間も経過しないうちに足が辛く、立っているのもやっとだった。
 空いている椅子を探すが、なかなか見つからず、壁や柱に背を預けて、ショータイム以外は、ひたすら休憩。会費を払っているので、食事や飲み物も自由なのだが、酒は飲めないし、スクーターで来ているので、お茶やジュースばかりをがぶ飲みする。
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 時折、憧れのダンサーさんを見かけると、声をかけて、写真を撮らせてと、おねだりするするのだった。
 そういえば、昨年の新年会では仮装大会もあったりして、新年会の終わり頃、みんなの投票で一番、人気のある仮装をしていた人に賞品などが授与されていたが、今年は、仮装している人は結構、会場に目立ったのだが、仮装大会(人気投票)は行われなかったようだ(多分。二次会で何かやったのだろうか。)
 で、次のショーが始まると、重い腰を上げ、足を引き摺るようにしてステージの方へ(といっても、ステージの周辺は、踊る気満々の若い人たちが専有しているので、その背後で、自分なりに懸命にステップを踏んだりしてみる…というか、体を揺さぶっているわけである。
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 フィナーレのバツカーダ(ブラジル音楽特有の打楽器や手拍子で、リズムだけで延々とみんなで楽しむ)が終わったのは、6時半頃だったろうか。
 会場の舞台などの設定準備もだが、後片付けもメンバーで行う。が、小生、草臥れ果てていて、余韻と体の火照りのままに会場を早々と出てしまった。またまた、顰蹙モノである。昨年の新年会は、会の前日の準備も会が終わった後の片付けも手伝ったのだけれど、今年はその元気もなかった。
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 帰宅したのは7時40分近くだった。寒気が関東上空をも覆っていて、スクーターでのクルージングもなかなかきついものがある。会場に着いた時、手先がバイクの振動よりも寒さでかじかんでいたが、帰宅した際は体も凍て付く。
 でも、寒いのは、そんなことより、いつもながら感じることだが、自分が参加していないという情なさ惨めさ。
 だからこそ、というわけではないが、サンバで刺激された何かを、小生は文筆で頑張ると決めているのである。踊ること演奏すること…。小生は、ネット上の架空の空間で踊っている…つもりなのだ。そう、自分に言い聞かせてもいる。
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 さて、部屋に入って暖房を入れ、ロッキングチェアーに体を預けて、そのままグッタリしてしまった。何もする気がない。とにかく体が冷えているし疲れきっている。パソコンに向かう元気など、まるでない。
 なので、普段はみないテレビドラマ「タイガー&ドラゴン」を見た。ドラマスペシャルとかで、「タイガー&ドラゴン粋でオツな男になりたい!口下手ヤクザとセンス最悪デザイナーの落語青春グラフィティ宮藤官九郎(くどうかんくろう)最新作!」と銘打たれたドラマ。
 これがなかなか見応えがあった。
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 主演(出演)は、長瀬智也や岡田准一、西田敏行、伊東美咲など。
 小生、申し訳なくも、長瀬智也のことは、TOKIOのメンバーでボーカルを担当していることは知っていたが、イケメンだとは思いつつも、瞳の輝きに鈍いものを感じて、正直、関心を抱いたことはなかった。
 が、昨夜見たドラマでは輝いていた。演技に味があった。岡田准一や、まして西田敏行の演技力は、今更、言うまでもない。西田敏行の惚けぶりと同時にしんみりした味わいを醸し出す演技には改めて感心した。
 それにしても、伊東美咲や長瀬智也までが輝いて見える。役者が際立って感じられる。伊東美咲の品のいい美人ぶりは化粧品のCMでの活躍で小生も魅了されているが、演技もこなせることに驚いた。驚く小生が、頓珍漢なのだろうが。確か、映画にも出ていたはずだし。
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 これは彼ら役者の力なのか、それとも、長瀬智也や伊東美咲らのコミカルさとシリアスさを相半ばさせて空回りさせることのない、脚本や演出を担当する宮藤官九郎が凄いのか。
 両方がなくてはならないのは当たり前として、遅ればせながら宮藤官九郎を強く意識させられたドラマだった。
 ついでながら、伊東美咲のファンのみならず、長瀬智也のファンにもなっちゃいそう。えがったんだってば。
 ドラマの内容は、例えば、ここで大凡は知ることが出来る。
 でも、ドラマの中で、ある登場人物が言っていたが、「古典落語は、話の内容は、寄席に来る客だったら、誰でも知っている。話の内容を知るだけなら、本でもCDでも聴けるし知ることができる。なのに、熱心に来るってのは、落語家の話を聞きたいからだ。」(曖昧な記憶で書いているので、言葉は大分、違うと思う。意味内容は、大体、こんなものだったと思うけれど。)
 そう、ドラマ、特にこのクドカンのドラマは見る値打ちがタップリある。見ないとドラマの切れ味は分からない。
 
 さて、ドラマを見終わったのは依る11時前。小生、それから季語随筆日記「寒稽古」を書いた。日付が9日となるよう、せっせと書いた。読まれれば分かるように、寒稽古に出ない、つまりサンバの練習に精を出さない自分の惨状を思いつつ、書いたのである。
 御蔭で、駄句は三つで終わった。ギリギリだったのだ。

 昨日の新年会のことについては、まだまだ書きたいことが山ほどある。例えば、新年会の途中に即席の出し物があった。我がリベルダージの伝統的なダンスが披露されたのだ(確か、あるチームが事情があって出演中止となったので、急遽、チームが編成され、数人で演技することになったのだと思う)。
 その踊りがリベルダージの伝統的な踊りだということには、それなりの経緯がある。あるフィンランド帰りの女性が関わっている、などという話も会場で聞いたが、後日を期したい。
 あるいは、5年に渡って我がリベルダージのダンサーリーダーを務めてこられた方が、リーダーの座を辞するという情報を得ている。その女性は「プリメイラ (1番) メストレサラとポルタバンディラ」のポルタバンディラという大役を果たされてきたのだ。
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「ポルタバンディラ」は、チームの象徴である旗を持つ神聖な役割を担う。メストレサラは、正確な表現ではないかもしれないが、介添え役のようなもので、男性が務め、ポルタバンディラつまりは旗を守る役目を負っている。
 旗は、遠くからでも、チームが何処なのかを示す必要がある。だから、大きく綺麗に目立つように掲げつつ、しかも笑顔を絶やさずに最初から最後まで衆人環視のもと、踊りきる体力と技術と情熱が要る。無論、チーム内での人望も欠かせない(そうでないと選ばれないだろう)。
 こうした彼女等の頑張りと大変さに小生が気付くには何度かのパレードを見て回る必要があったのだ。
 この度、チームリーダーを辞するというのは、とても寂しいことだが、彼女には、ただただ御苦労様でしたというしかない。それとも、貰った感動からすれば、ありがとうございました、なのか。
 また、掲載していない写真も、あと60枚もある。随時、載せていくかどうか、まだ、決めていない。でも、載せたいよー。
(余談だけど、許可が下りたら、ダンサーの方たちの写真は、随時、アップするつもりでいる。誰か、お許し、くれないかなー。)

 新年会やドラマの熱気に当てられて、この稿が季語随筆日記だということを忘れてしまいそう。
 新年会は季語(季題)だとはいえ、新年会という言葉を織り込んだ句は、ネットではあまり見つからない。例えば、「ヘッドライトに舞う雪くぐり新年会」が見つかった(ちなみに、このサイト主殿、「5・7・5にこだわらず季語にもこだわらない、高橋忠史の駄俳句です。」と断っている。我が同志だろうか)。
棒一文字床に掛けられ新年会」などという句も見つかった。「喧騒の電話の向こうの新年会」や「還暦の同期集まり新年会」、あるいは、「なじみ顔欠けてさみしい新年会」(大根の花)が目に付いた。
 特に最後の句は、昨日の新年会でも、馴染みの顔が何人も見えなくて寂しい思いをしただけに、実感してしまう。

 新年会最初で最後の顔合わせ(こうならないよう、願う)
 新年会生まれたばかり初顔だ(昨年、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いてきたダンサーの方がいた。さすがにほとんど!踊ってはいなかったけど)
 新年会飲み会になって新宴会(打ち上げは、そうだったんだろうな)
 新年会終わって初めて新年だ
 新年会顔ぶれ変わる淋しさよ
 新年会熱気の果ての夜気涼し
 新年会会場の内外壁一つ

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