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2004/11/05

ラジオを聴く

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 タクシーでの仕事で、楽しみなのは、ラジオだ。学生時代や、社会人になってもテレビがない時は、ラジオが独り者の身には掛け替えのない友だったりしたものだ。
 9年前にタクシードライバーという仕事を選んで、ラジオの楽しみを改めて認識し直したものだ。別に、ラジオが楽しみで運転手になったわけではないが、ラジオの聴取ができることは実に嬉しいし、楽しい。
 無論、お客さんを乗せている間は、消すか、お客さんが要望されるチャンネルを選ぶ。が、悲しいかな、不況が続き、走らせている中で、半分以上は、空車なのである。つまり、10時間以上は、ラジオが友という状態になっているわけである。
 音楽にしても、クラシックからジャズ、民謡、民族(民俗)音楽、歌謡曲、ポップス、演歌、ロック、とにかく、耳に入るものは、何でも聴く。音楽通の方は世に沢山、いらっしゃると思うけれど、幅広いジャンルの音楽を聴いている、それも選り好みせずに、となると、かなり少なくなるのではないか。

 そんな中、昨日は、若林 美智子さんの話を聴き、また、演奏を聴くことができた。
 彼女は、東京生まれだが、病弱だったため幼少の頃から母方の祖父母の住む富山県の、「おわら風の盆」でも有名な八尾で育てられた、という。この富山に縁(ゆかり)があるということで、小生、耳を欹(そばだ)てた。
 富山で育ったということもあるのだろう、三味線がやがて胡弓に魅せられることになったのである。「祖父の若林久義(平成4年10月、83歳で没)は「越中おわら節」の胡弓の名手で、特にその個性的で独特な音色で聴く人を唸らせた」とのこと。その「祖父の演奏を子守歌代りに聴いて育つうちに胡弓に興味を持ち始めたが」…、その後に、交通事故で大怪我をするなど、いろいろとドラマが待っているわけである。
 彼女の胡弓の音には、彼女ならではの音色があるとの、ご主人の談話が印象的だった。

 さらに、桜で有名な大和路の吉野が、実は紅葉でも、素晴らしい。というより、紅葉こそが吉野の醍醐味なのだという話も伺うことが出来た。
 せっかくなので、小生、駄句を連発:

 山粧い 妍を競うか 吉野山
 艶やかに 今を盛りの 吉野山

 他にも、3日から4日にかけては、アメリカの大統領選挙の報道が、どの局でも聞けたのは、言うまでもない。ブッシュ現大統領が再選された。当面の経済や現日本の政権からすると、都合がいいようだが、長い目で見ると、どうなるものやら。イラクでは、ベトナム以上の悲惨な状況が生じているらしい。
 自己責任論が台頭してか、日本のマスコミも、イラクの惨状はほとんど伝えない。もしかして自己責任論というのは、マスコミや日本の世論の関心がイラクの実情に向くのを逸らすために、一部の報道機関などが政府の意向に沿う形で、意図的に流しているのでは、なんて、憶測を逞しくしたくなる。


 車中では、三島憲一著の『ニーチェ』(岩波新書)を読み始めていると、昨日の日記に書いた。自宅では、相変わらず、ミハイル・バフチン著『ドストエフスキーの詩学』(ちくま学芸文庫)と『おくのほそ道』(松尾芭蕉著 潁原退蔵・尾形仂訳注 角川文庫)をゆっくりと読んでいる。
 前にも書いたが、小生、ドストエフスキー論は、基本的に読まない。それでも、バフチンの書は、内容が濃いので読み応えがある。長い本だが、最後まで読みそう。
『おくのほそ道』は、この本では二度目だが、さまざまな版で読んでいて、通算すると、5か6回にはなると思う。
 ところで、本では、ちょっと嬉しいことがあった。もう、10年ほども以前に図書館から借り出して読み感銘を受けた鳥越憲三郎著『古代朝鮮と倭族』(中公新書)を4日の朝、ゴミ箱で拾ったのである。こんな本を拾うことができるなんて、仕事の不調を補ってあまりある僥倖だった。そのうちの再読が楽しみである。

 何処かの掲示板で北海道が話題に。そのサイト主の方が北海道の方だから、当然といえば当然なのだが。そのサイトの掲示板に、小生は以下のような書き込みをした:

 北海道は二度ほど旅行したけど、またゆっくり旅してみたい。北大(?)の並木道とか。北大、狙ってたけど、届かなかった。雪の科学者、中谷宇吉郎博士の随筆が好きだったし。雪の研究が今じゃ、人工の雪を降らせるまでになった…。時代ですね。

 粉雪や 昔は天から 今は頭に
 降る雪や 本物かどうか 分からない
 降る雪を 口で溶かして 天の味

 さて、年間掌編百篇制作という目標。先月までで、84個。残す二ヶ月で16個。胸突き八丁が続く。夜半に、今月最初の作品を書いた。先月末に、「ディープスペース」という作品を書き上げたが、その続編である。
 といっても、物語として続いているというわけじゃなく、連作的に書いている。深い空間。小生の過去の作品を読んだことのある方は、ビビビと来るだろう。そう、 「ディープタイム」や「ディープブルー」のこと。
 後者の2篇は、かの「クラゲ」の絵をイメージして書いたものだが(成功はしていないが)、「ディープスペース」は、当初は、クラゲの絵を念頭に置いていたが、次第にイメージは離れていって、もっと自由な虚構空間を遊ぶつもりになっている。
 ということで、昨夜半に書いたものは、「ディープスペース:バスキア!」となっている。
 バスキアとは、言うまでもなく、ジャン・ミッシェル・バスキアのことである。小生が、この十年、一番、気に掛けているアーティスト。
 尚、ホームページへのアップは、なんとか、近いうちにと思っている(のだが)。

 さて、冒頭に掲げた写真は、4日、仕事がそろそろ終わりという朝の5時半頃だったかに撮ったもの。前にも、同じ場所で朝の明ける様子を撮ったことがある。
 実は、この一時間前、まだ薄暗い中、朝焼けの赤が混じり始めた、実に素晴らしい光景が同じ場所で見られ、すかさず写真に撮ったのだが、目にしている光景とは、似ても似つかぬ写真になったので(ほとんど真っ暗)、掲載を断念したのである。ああ、我が腕前の貧しさよ。

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コメント

こんにちは.以前にも来たことがありました。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
終戦直後の中谷宇吉郎(文藝春秋)もとりあげています。
よかったら、寄ってみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611

投稿: kemukemu | 2007/02/09 22:05

kemukemuさん、久しぶりです。
ストリートでのパフォーマーを尊敬する小生には嬉しいサイトです。
このような古い記事にコメントで驚きましたが、なるほど、中谷宇吉郎を検索して小生のサイトをヒットしたのですね。
小生は、彼のエッセイが大好きなのです。
また、お邪魔させてもらいます。

投稿: やいっち | 2007/02/10 01:16

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