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2004/11/02

朝、霧が出るとその日は晴れる

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 表題そのままなのだが、今日、火曜日は、まさに「朝、霧が出るとその日は晴れる」となった。
 タクシーの営業も残すところ、あと二時間ほどになった頃、まだ、空は真っ暗だった。夜明けがやけに遅くなったなと思っていた。ある郊外の駅に車を付けて、お客さんを待って三十分あまり。ようやく、お客さんが乗ってくれた。さて、走り出すと、フロントガラスが濡れてくる。
(あれ、雨でもなさそうなのに、どうして水滴が? 朝露?)
 なんて、思いつつも、さらに走らせていると、未だ日の昇るにも間のある五時前の暗さだけじゃなく、霧が立ち込めていることに、ようやく気がついた。
 それも、濃霧と言いたくなるような濃さ。視界がかなり不良の状態。お客さんを下してからだったろうか、ラジオでは、霧の話題がちらほらと。他の地域はともかく、東京都内では全域で濃霧が漂っているらしい。
 そのラジオの話題の中で、「朝、霧が出るとその日は晴れる」という言い伝え(?)があるという話を聴いたのである。
 そこには、何かもっともらしいメカニズムがあるのかどうか、ネットで調べようと思ったが、適当なサイトが見つからない。せいぜい、朝霧が秋の季語だということに、改めて気付かされただけ。
 霧とは、「空気中の水の粒子が冷えて凝結し、細かな水滴になり浮遊する」なんて、説明しても、何を今更だろう。
 それでは、霧と靄(もや)と霞(かすみ)の違いはどうだろうか。
 気象庁などに問い合わせるのがいいのだろうが、ネットでは既に調べている方が大勢、いる:

 霧 : 微小な浮遊水滴により視程が1km未満の状態
 靄 :微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km未満となっている状態

 気になったのは、煙霧という言葉。同じく、「乾いた微粒子により視程が10km未満となっている状態。」という定義が示されている。「乾いた微粒子」!ってことは、つまりは、土埃などで視界が幾分か遮られている状態のことなのか。
 上掲の定義だと、霧は、地上世界に降りてきた(生じた)雲だということだ。
 靄は、「微小な浮遊水滴や湿った微粒子」とあるように、必ずしも、微小なる水滴だけじゃなく、煙(埃)なども靄の原因となりえるというわけだ。
 では、今朝の濃霧は、純粋な霧だったのだろうか。たしかに、湿度が極めて高かった。
 が、高気圧に日本列島がすっぽり覆われていることもあってか、風がなかった。
 ということは、排気ガスや埃、その他の「乾いた微粒子」の類いが、風があれば海にでも吹き流されるはずが、列島上に滞っているということになる。
 霧が生じるには、核になる物質が必要だという話もある。特に、東京などのように埃が多いと、湿度が高い場合、その埃を核にして大気中の湿度が水滴の形に結晶するという可能性が高まるということか。
 そういえば、今はどうなのか知らないが、一昔以上も昔のロンドンでは、濃霧が凄まじかったというが、やはり、産業が急激に発達し、工場の排煙が無制限に流れ漂って、霧の深さを過激なものにさせていたとか。
 今朝の東京の濃霧も、単に霧が深いと、風情を楽しんでいるわけもいかないのか。
 その前に、視界が悪いのだから、車を走らせている小生、可愛い小さな目を、パッチリバッチリと開けて、事故を起こさないよう、懸命な走行に努めていたので、霧の風情を愛でるゆとりもなかったけれど。
 あ! 霞(かすみ)のことを書いていない。
 霞というのは、霞んで見えるという表現もあるように、事情なり原因が何であれ視界が霞むこと。それこそ、霧で霞むこともあれば、土埃や煙で霞むこともある、というわけである。
 となると、小生の脳味噌は、どうなのだろう。いつも、霞が掛かっている…。ま、寝不足ということにしておこう。年のせいにしたくないし。
 ただ、老眼の度が進んでいて、近場は見えない。だから、読書は老眼鏡がないと、辛いのだが、遠方となると、下手すると若い頃以上によく見える。美女も遠くだと、くっきり見えるが、近付いてきて、さて、どんな素敵な人かと、ワクワクしていると、いよいよ目の前を通り過ぎるときには、姿かたちがぼやけてしまって、あの遠くで見かけた素敵な女性は何処へ行ったの、ってことになっている。
 でも、お蔭で、近場で見る限りは、大概の女性が綺麗(だろうな)に見える(そう、思っておく)というメリットもある。
 こうした小生の事情ってのは、脳味噌の霞み具合とは反比例している。頭脳の働きは霞んでいるのに、遠くがクリアー。不思議だ。
 そういえば、昔、霞ヶ関ビルという巨大なビルの先駆けのような高層巨大ビルが出来た時、あれは、政治的経済的に不透明な永田町の近傍にあるからだとか、光化学スモッグのひどくなり始めた、排気ガスのひどい時代だったので、そうした時代を象徴する意味で命名されたビルだという噂を聞いたことがある。
 政治の不透明さだけは、今も昔も変わらないってことなのか。
 
 せっかくなので(何がせっかくなのか、自分でも分からないが)駄句の数々で、この一文をきっちり、締めておきたい。例によって、方々のサイトの掲示板に書き散らしたものである:

(ホトトギスの異称:杜鵑・霍公鳥・時鳥・恋し鳥・早苗鳥・子規・浅羽鳥・文目鳥・古恋ふる鳥・妹背鳥・歌い鳥・卯月鳥・黄昏鳥・射干玉鳥・不如帰・夕影鳥など。他にも幾つかある。ホトトギスは、ウグイスに托卵する

 ホトトギス 時の鳥とて 夏告げる
 ホトトギス 古(いにしえ)恋ふて 鳴くとかや
 ホトトギス 子規をも早め 鳴くのかと
 ホトトギス 射干玉の闇 射竦めて
 ホトトギス 梢の陰で 番うのか
 ホトトギス 夕影寂しと 鳴き荒ぶ
 ホトトギス 高浜の空 恋ふて飛ぶ

(東京は、雪は年に数日降るだけ。気をつけるのは路面の凍結。何処が凍結しているか、夜間はよく見えない。特に朝方が危険。でも、用心していても、滑る時は滑る。まるで、あっし駄洒落みたいに、滑る!!)

 凍結路 滑って転んで 肝冷やす
 親父ギャグ 雪道よりも 滑ります

 はるばると 来つるものかな 秋薊(あきあざみ)

(ブルーデイジー…、別名は瑠璃雛菊だとか。イラクの地で散った若者を思いつつ)
 
 瑠璃色の 星屑の空に 旅立てる
 地の砂と 天の星とを 結びけん
 若き血の 滾りを癒す 星屑か

 冒頭に掲げた写真は、そろそろ濃霧も掠れはじめた朝、六時過ぎに、何処かの町角で撮ったもの。いつもながら、花の名前は分からない。

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